2006年4月15日土曜日

私の初日観劇記 横尾忠則

確かに歌右衛門さんの演技は形を超えている。体の中の霊体が肉体からスーッと出ていくように見える瞬間がある。人間の肉体の隅々にまで霊魂が宿っているということを証明されているように見える。このような演技は時間をかければできるというものではない。心と魂と体がひとつになって形成された人格によって初めて可能になるものだと思う。このことは全ての芸術に言えることだ。芸術の創造に打ち込む以前の実生活にこそ秘密がある。歌右衛門さんのあの美しい透明感は心と魂がひとつになった結果であろう。(私の初日観劇記|四月大歌舞伎|歌舞伎座|歌舞伎・演劇|松竹)



横尾さんは歌右衛門についての印象を語っておられます。本当に気を抜いた舞台を見たことがなかったですね。