2006年4月17日月曜日

上村以和於の劇評 こんぴら歌舞伎

まず『比翼稲妻』。三津五郎の山三、海老蔵の不破、亀治郎のお国に葛城という配役は、聞くだに魅力的だが、金丸座の空間で見るとひときわ、南北劇の中でも私がとりわけ気に入っている、奇あり怪あり、諧謔あり洒落あり、人の世を直視しながら斜めに見ているような、関わりながら達観しているような、悠然としながらとぼけているような、回り灯籠を眺めているようなこの作の面白さを改めて知ることになる。「山三浪宅」の雨漏りに傘をさす場の、いかにも珍奇でありながら自然な、リアリズムなどということとは全然違う演劇観のつくりだした異空間の「真実味」。そう、歌舞伎という異空間が、同時にきわめて自然なものとしてそこにあるのだ。(演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト)



金丸座は椅子席ではないので、舞台への目線が低く、いっそう一体感がでるのだと思います。三津五郎は国立で演じた時から、金丸座でかけたいと思っていたそうです。てりふり町という設定の「山三浪宅の場」には、本当に大劇場では表せない雰囲気というのがあります。南北の芝居に似合った小屋です。



海老蔵の不破は、これぞ初代からの成田屋のお家芸という感じでした。「暫」といい、やはり荒事は本家が良いですね。



ブログ アーカイブ