2006年4月21日金曜日

海老蔵初役の勘平

 今まで見た勘平には感じなかった雰囲気を、海老蔵の勘平で味わいました。それはあたかもドラマでよく見る光景のようでもありました。



 思いがけず大金が手に入り、一刻も早く知らせたいと喜んで帰ってきます。夕べの雷の話しやら何かを姑やお軽に話したり、家に帰ってきて着替えをしたりします。何気ないここの芝居は、「落人」の戸塚からようよう山崎まで落ち延びて、ひとまずお軽の実家に舅、姑と一緒に暮らすことになったここでの暮らしの始まりを表しています。暗い過去を背負ってはいても、愛する女房との生活は楽しいものです。狩りから戻って家人と話すやりとり、気配りに新婚の華やぎを感じました。仕事から戻った婿さんがマンションのドアを開けて「ただいまー」と女房に話しかけ、女房の母親に気遣いして・・・今と変わらないその場の雰囲気を表現していると思いました。



 「助六」も古い芝居を型通り演じるのではなく、今の等身大の助六を感じました。とても魅力的でカッコイイ助六でした。昔の人を演じるのではなく、今の時代、自分に置き換えて、自分の言葉で話しているように思います。海老蔵という役者はハラがあって、心の軌跡をしっかり持ってその役になっているのだと思います。だから恋人と駆け落ちして新しい生活がスタートしたうれしさが自然とでてくるのではないでしょうか。この華やぎが後の悲劇を引き立たせます。お金の工面ができた喜びはどの勘平にもありますが、新婚の華やぎを感じたのは今回初めてです。



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