2006年5月1日月曜日

三津五郎の今月の役どころ

平成18年5月



◆「外郎売」 小林朝比奈以外なことに「外郎売」に出演するのは初めてです。敬愛する團十郎先輩の復帰を明るく大きく華やかにお祝いできるのは嬉しいことです。猿隈を取るのも久しぶり。朝比奈らしい、愛嬌のある力強さを、明るさとともに表現できればと思っております。



◆「権三と助十」 助十この役を演じるのは5回目になります。音羽屋さんと3回、中村屋と1回勤めております。長屋を舞台にしたミステリー仕立ての喜劇ですが、やる度に何かが起こる芝居で、まじめにやっているのに何かしらのハプニングが起き、舞台も場内も爆笑の渦に包まれてしまう、ということが何回もありました。そのとき元気に大家の役を勤めていた父や、松助さんが他界してしまったことを考えると、楽しい芝居だけに、なにやら言いようのない感慨にとらわれますが、今回、足の手術をされた田之助兄さんがこの芝居で復帰されるのが明るい、嬉しい話題です。



◆「傾城反魂香」 浮世又平この芝居では松緑のおじさんや父の又平で修理之助を勤め、その後雅楽之助も勤めました。又平を初演したのは昭和63年の国立劇場。舞台稽古に松緑のおじさんが来てくださりいろいろご注意をいただいたことは、忘れられぬ思い出です。その後、松竹座、襲名巡業と演じて参りましたが、歌舞伎座で演じるのは初めてになります。他の方もよく演じられる役ですが、松緑、父の舞台を肌で知っている人間として、又平という人間の悩み苦しみの深さ、名前を許された喜びの大きさを、夫婦の情愛とともに、皆様の心にしっかりと届くように大切に演じたいと思います。(今月のスケジュール)



しばらく振りの歌舞伎座出演、待ってました!朝比奈も助十も又平も、どの役も安心して観られます。音羽屋の相棒はイキもあって良いですね。楽しみです。