2006年9月7日木曜日

「鬼揃紅葉狩」曲起こしのお話

今回は初演の曲に戻していくぶんかの割愛をほどこし、流れをよくしております。準備にあたり、初演の録音が現存しないので、常磐津さんは常磐津菊雄師(物故)の譜本から曲を起こし、竹本は松之輔師の譜本から起こしました。松之輔師の作曲作品は文楽の豊竹咲大夫師が管理なさっておいでですので、咲大夫師が三味線弾きさんと入れてくださった録音をもとに私ども役付きの者が憶え、8月の14・15日の両日、シンの二人がお稽古いただきました。(今月のお役)

葵太夫さんが大変丁寧に、この曲の初演から再演、そして今回の上演に際してのいきさつ、ご苦労などを書かれています。



今月歌舞伎座夜の部の打ち出しは染五郎の「鬼揃紅葉狩」ですが、これが大変面白い。舞台面もすっきり、上手が竹本、下手が常磐津、正面に鳴物という配置。この正面のお囃子が実に良い。葵太夫さんのお話を読んで成る程と納得しました。それぞれ「譜」を頼りに曲を起こし、振付も新しくつけられ、演じる役者もみな若い、今を生きる人たちの情熱が伝わってきます。染五郎は、ゆくゆくは自分の物にしたいと言っています。再演を重ね、是非とも「鬼揃紅葉狩」は染五郎の十八番にしていただきたいです。