2006年9月23日土曜日

渡辺保の劇評 9月歌舞伎座

秀山祭。初代吉右衛門生誕百二十年を期に今度新たに始まった初代追悼の催 し。秀山は初代の俳名である。祭主当代吉右衛門は昼夜に三役、昼に「引窓」の南与兵衛、「寺子屋」の武部源蔵、夜に「篭釣瓶」の佐野次郎左衛門。そのいずれにおいても大きく躍進している。目一杯、手一杯突っ込むところは突っ込んで芝居をしている。決まるところは決まり、調子を張るところは張って名調子をきかせる一方、細かいところは丁寧に運んで大サービスである。三役いずれもすでに実験済みであるが、これまでとは一味も二味も違っているのは、そのためである。(2006年9月歌舞伎座)

今月は「秀山祭」と名づけて吉右衛門が新たな決意を持っての公演です。吉右衛門襲名が若い時だったので、今回が二度目の襲名かのように感じられます。六十代を迎え、この先の事などを考えて、一門力を合わせて「播磨屋」の芸をきちっと残したいという思いが感じられます。追善というよりむしろ襲名のような華やぎを感じました。



来年から、5月の演舞場と歌舞伎座の秀山祭と年2回、吉右衛門の座頭公演が継続されるでしょう。