2006年10月29日日曜日

成駒屋直伝の政岡

菊五郎が政岡を初演したのは昭和六十年十月の歌舞伎座。「父(七代目梅幸)から成駒屋(六代目中村歌右衛門)さんへ聞きに行け、と言われました。かなりリアルに教えてもらい、それを細かく書いて残してあります。『先代萩は誰が何をやっても、政岡のものですよ』と言っておりましたね」

成駒屋の政岡は結構でしたね。片はずしの風格と情愛あふれる演技で素晴らしかったです。音羽屋の菊五郎が五度目の政岡を演じます。八汐に仁左衛門、仁木に團十郎と顔見世ならではの顔ぶれです。



夜の部では、歌舞伎座で初めての舞踊「雛助狂乱」を披露する。江戸中期の二代目嵐雛助が長唄「狂乱吹雪の雛形」を初演したのにちなんだ曲名の通称。捕り手と立ち回る秋田城之助(菊五郎)の狂気が見どころ。「ゆったりした流れで清元『保名』と似ています。雪景色の舞台にして、絡みは三人にしてやってみようかと」(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061028/ftu_____mei_____003.shtml)

「保名」に似ていて雪景色?美しい舞台でしょうね。どんな踊りか大変楽しみです。



2006年10月28日土曜日

中村芝翫が文化功労者に選ばれる

文化功労者に芝翫が選ばれました。



お元気でこれからも正当な歌舞伎を演じて頂きたいです。一月一役で良いですから、長く舞台を続けて欲しいです。

「思ってもみなかったので、大変嬉しく思います。祖父・五代目歌右衛門、父・五代目福助、私の恩師である六代目菊五郎に対してご恩返しができたような思いです。私事ですが、父が早く死に、女手一つで育ててくれた母が、きっと泉下で喜んでくれているだろうと感じています。」(歌舞伎美人 | 中村芝翫が文化功労者に選出)





2006年10月27日金曜日

菊之助3役に挑む

「勧進帳」では、立ち役の富樫を初めて演じる。対決する弁慶役は海老蔵で「前から、いっしょにやってみたいと思っていた」という。「父たちが競演した役を、私たちがやることに意味を感じます」 (asahi.com:菊之助、3役に挑む 花形歌舞伎、11月1日から - 歌舞伎 - 文化芸能)

襲名後6年振りの「弁天小僧」、初役の「勧進帳」の富樫、「船弁慶」の静(後シテ知盛)という超大役に挑む菊之助さんの意気込みが伝わってきます。共演の松緑さん、海老蔵さんとの舞台は、どれも歌舞伎らしい狂言で、今から楽しみです。



4月御園座 演目決定

http://www.misonoza.co.jp/enngeki_folder/engrki_top.html



「盟三五大切」



「芋掘長者」



三津五郎・橋之助・菊之助他



「芋掘長者」は大変面白かったので、是非再演してほしいと思ったのですが、名古屋で再演が決まりました。南北の魅力満載の狂言にユーモラスな舞踊劇と良い組み合わせだと思います。



新春浅草歌舞伎 演目と配役

新春浅草歌舞伎(歌舞伎美人 | 新春浅草歌舞伎の演目と配役)



「義経千本桜」のすしやと渡海屋に「身替座禅」の組み合わせ。



亀治郎が出演しないので、ちょっと寂しいです。



2006年10月24日火曜日

歌舞伎を楽しむ(4)清水まり

その逆で歌舞伎をたとえ一度も観たことがなくても、この芝居に深い感銘を受ける人もいるはずです。歌舞伎初心者にお勧めの演目といえば「わかりやすくて楽しい、見た目も派手な作品」と思われがちですが、決してそうではないのです。会社や家族のために仕事一途であったがゆえに、歌舞伎を観る機会がなかったという男性もたくさんいらっしゃることと思います。この「元禄忠臣蔵」はそういう方々にこそ、初めての歌舞伎体験として観ていただきたい作品です。 (asahi.com:〈第4回〉「大人の歌舞伎デビュー」 - 歌舞伎を楽しむ - 文化芸能)

歌舞伎とは実にいろんな形態があり、あれも歌舞伎、これも歌舞伎、演じる役者も臨機応変に古典もやれば、新作も演じます。華やかな様式美を堪能したり、今回のように全く地味な男のドラマに心打たれたり、飽くことありません。



真山青果の「元禄忠臣蔵」を初めてご覧になったら、きっと感動されることと存じます。



2006年10月23日月曜日

10月国立劇場劇評 小玉祥子

吉右衛門の内蔵助は、事がなければ平穏に「無用の人」として世を送りたかったという言葉が納得できるようなおおらかな風情だ。それが、評定となると一転し、果断で厳しい姿となる。その変化が鮮やかで、ことに徳兵衛とのやりとりに見ごたえがある。 直情径行で世渡り下手な徳兵衛を軽くいなしていた内蔵助が、死を賭しての物言いに、ついには本心を打ち明ける。富十郎の古武士然とし、どこか世をすねた徳兵衛がよく、2人のセリフ術で舞台に引き込まれる。 梅玉の内匠頭に気品があり、切腹の場面に哀れさが漂う。歌昇が幕府の目付、多門伝八郎では理非をわきまえた武士をすがすがしく演じ、安兵衛では剛直な武士の気迫を見せた。東蔵、芝雀、信二郎、松江、吉之助が好演。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

青果のセリフ劇が吉・富両優のうまさで引き立ちました。



歌昇の二役、かなり良かったです。芝居の盛り上がりに大きく貢献したと思います。



小玉さんと同じ印象を持ちました。



六年ぶりの弁天小僧菊之助

菊之助は、平成八年の襲名披露公演で演じた。「父(菊五郎)から教わりましたが、あの時は、芝居をしているというより、台本通りせりふを言って手順を追っていただけ。手も足も出なかった。あらためて父の存在の大きさを知った。今回は白浪仲間の南郷力丸が同世代の尾上松緑さんなので、二人の意気を見せられればと、楽しみにしています」 「浜松屋で正体を暴かれ、かれんな娘からガラッと男に変わるところが見せ場ですが、ここは男らしさというか、すごみを出して。型を変えようなどと意識せず、父の型をそのままにやります」と、淡々と話す。(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061021/ftu_____mei_____003.shtml)

菊五郎の弁天に辰之助の南郷というコンビで随分観ましたが、今回は父達を彷彿させる舞台になりそうです。



演舞場は若手にとって大物にチャレンジできる良いチャンスです。初役に挑む者、観る側も力が入ります。



2006年10月20日金曜日

親と子の歌舞伎鑑賞会11月19日(日)

◇親と子の歌舞伎鑑賞会 



11月19日(日)歌舞伎座昼の部(11時開演「伽羅先代萩」「七枚続花の姿絵/源太・願人坊主」)の3階席を親と子(18歳未満)の組み合わせに限り、1人2400円(通常4200円)で提供する。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

お子さんと一緒に行かれるチャンスです。演目も分かりやすいと思います。自分と同じくらいの子供が舞台で演技しているのも興味をひくことでしょう。



国立劇場全席完売

10月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵」(第一部)につきましては、おかげさまをもちまして、全席完売となりました。(10月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵」(第一部)につきましては、おかげさまをもちまして、全席完売となりました。|日本芸術文化振興会)

この記事が10月12日付けでトピックスとしてのっています。驚くべきことです。開場以来初めて(正確には知りませんが)なのではないでしょうか。



友人、知人に見に行くように勧めても、<遅かりし、由良之助>一幕見はないし、補助席は出さないのでしょうか。



今年の吉右衛門は何々賞をきっと頂くとおもいますね。五月の演舞場、九月の秀山祭、そして今月の大石内蔵助。パワー全開、拍手拍手です。



大阪松竹座1月 演目と配役

大阪松竹座 新築開場十周年記念



壽 初春大歌舞伎(歌舞伎美人 | 壽 初春大歌舞伎の演目と配役)



團十郎の弁慶に海老蔵の富樫、そして藤十郎の義経で「勧進帳」。九段目も藤十郎の戸無瀬に團十郎の由良之助という顔合わせ。海老蔵は「毛抜」の粂寺弾正。雀、扇雀兄弟は大奮闘の東西競演です。新築開場十周年記念公演にふさわしい演目だと思います。



2006年10月19日木曜日

上村以和於の今月の一押し(十月)

よく解説書に、荒事は七つ八つの子供の心で演じろと書いてある。しかし実際にこれまで見た誰のどんなに素敵な五郎にせよ、それを心得として演じていることは察しられても、実際に子供そのものの躍動感として感じられたという五郎は見た記憶がない。壮年の演者の立派な役者顔に、剥身の隈を取った五郎の顔が重なって、渾然とした風格が出来上がる。その見事な風格を、われわれは愛でたりほめたりしてきたのだった。海老蔵の五郎との一体化というのは、それとは違う。もちろん海老蔵も、あの顔である、近ごろ頓にいやまさるあのますらをぶりの風格である、見たさまも風情も立派な五郎には違いはない。しかしあの三階席までも届かせる共鳴のオーラは、それとは別の発現体から出るものだ。海老蔵のことばかり言って、菊之助のことはちっとも言わないではないかと言われそうである。そうではないのだ。規矩規範からいつはみ出すかとハラハラさせる海老蔵を、端正でエレガントな菊之助が支え続ける、実はそのバランスの絶妙さにこそ、場内の共鳴の根源があるのである。(演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト)

助六の時にも驚いたが等身大の五郎がそこにいる、五郎のヤンチャがそのまま重なる。



歌舞伎十八番というお家芸が彼の流れる血汐に共鳴するように感じられます。



海老蔵「四の切」の忠信を猿之助に指導仰ぐ

当日、約1時間にわたって猿之助直々の言葉に聞き入った海老蔵は「役の心得はもちろん、澤瀉屋(おもだかや)さんのいろいろなご工夫も丁寧に教えていただきました」とコメント。猿之助は「日ごろから私の仕事に大きな関心を寄せてくれている海老蔵さんに、私にとって、最も大切にしてきた(演目の)『四の切』の指導をするのは大変うれしいことです。海老蔵さんの宙乗り姿が今から目に浮かぶようです」とエールを送った。(中日スポーツホームページへようこそ)

澤瀉屋の「四の切」が成田屋の御曹司に伝えられる。素晴らしいことですね。猿之助の狐忠信の宙乗りを初めて観た時の興奮が甦ってくると思うと感無量です。運動神経抜群の海老蔵ですから、きっと速やかに早変わりもこなし、又親を慕う子狐の心情も表現でき、拍手喝采浴びることでしょう。



12月歌舞伎座演目と配役

師走の歌舞伎座はベテランと若手が活躍です。海老蔵はオペラ座の演目「紅葉狩」を菊之助は八重桐 矢口渡では富十郎の頓平でお舟を、松緑は  菊五郎の芝浜、夜の部で出刃打お玉







師走の歌舞伎座はベテランと若手が活躍です。松緑・菊之助・海老蔵に菊五郎が中心で、雀右衛門、富十郎、田之助、梅玉、時蔵、魁春が共演。



来年のオペラ座で出す「紅葉狩」を一足先にみられるのも楽しみです。



演目と配役(歌舞伎美人 | 十二月大歌舞伎)







2006年10月18日水曜日

DVD「歌舞伎名作撰」新シリーズ

DVD「歌舞伎名作撰」シリーズ 追加発売のお知らせ(歌舞伎美人 | DVD「歌舞伎名作撰」シリーズ 追加発売のお知らせ)

刷新された新サイトに情報がありました。昭和52年53年の「仮名手本忠臣蔵」、猿之助の「黒塚」、まだ記憶に新しい團十郎の「助六」が順次発売されるようです。



芸術祭十月大歌舞伎 劇評

今月、キラリと光ったのは、昼の部「葛の葉」の魁春。安倍保名に助けられたキツネが、美しい女性・葛の葉に化け、妻となり子までなす。そして、別れの時がくる。 魁春は「子別れ」で泣かせる。控え目な芸風が、人間でない引け目を巧まずして表現している。4月の「井伊大老」の側室お静の方と同様、独特の存在感で見せている。([評]芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎座) : 伝統芸能 : 舞台 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

このところ上昇中の魁春さん、控えめだけでなく彼独自の芸域を確立してきていると思います。



2007年2月博多座演目決定

【昼の部】 午前11時開演 



一、新歌舞伎十八番の内 高時       ◆北条高時  海老蔵         



二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子   ◆小姓弥生/獅子の精  菊之助  



三、倭仮名在原系図 蘭平物狂       ◆奴 蘭平実は伴義雄  松緑 



                                                           ◆在原行平  菊之助                           



【夜の部】 午後4時15分開演 



一、おちくぼ物語                ◆おちくぼの君  菊之助 



                                                          ◆左近少将  海老蔵                           



二、新歌舞伎十八番の内 船弁慶     ◆静御前/平知盛の霊  海老蔵 



                                                          ◆舟長三保太夫  松緑                           



三、彦市ばなし                 ◆彦市  松緑(博多座)





やっと来年2月の博多座の演目・配役がでました。新歌舞伎十八番が3番でるというのはめずらしいですね。11月の演舞場で菊之助が演じる「船弁慶」を今度は海老蔵が演じる。良きライバルですね。仕上がりの印象はかなり違うのではと思います。



2006年10月15日日曜日

團十郎本格的に復帰

昼は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の床下と対決・刃傷の場の敵役・仁木弾正。伊達騒動を扱った人気狂言で、仁木はお家横領をたくらむ重量級の悪役。「座頭役の最たるもので、貫目(貫録)で見せるところ。対決では、絡みの人とぽんぽんと段取りよく、機敏に立ち回らなければ」(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061014/ftu_____mei_____004.shtml)

来月の歌舞伎座顔見世で大役を務める團十郎さん、今月の舞台は足慣らし、六本木から自宅まで歩いて帰っていらっしゃるようです。



久々の仁木と河内山、今から楽しみです。



2006年10月13日金曜日

渡辺保の劇評 国立劇場10月

吉右衛門の大石内蔵助は、二度目の玄関先で富十郎の徳兵衛と出合ったところの幼友達ぶりで富十郎とイキの合ったところを見せ、つづく竹の間、黒書院、そして城外と人の意見を集約していく具合、徳兵衛との友情あつく、はじめて本心を見せる幕切れから花道の引っ込みまで、十分の出来である。(2006年10月国立劇場)

渡辺保さんの国立の劇評、意外に辛口です。私は脇の人たちも緊迫したただならぬ状況を充分演じていると思いました。そして青果のセリフに関しては、松緑時代より若手連はセリフの活舌が良く、聞きやすいと思いました。感じ方は様々です。どれが正しいという問題ではなく、各人の胸に響く舞台であれば、それで良いのではと思います。



これから11月、12月と内蔵助を演じる役者が変わります。誰が良かったかは3部を見終わらないと分かりませんが、吉右衛門の内蔵助はかなり高得点でしょう。



2006年10月11日水曜日

水浅葱の無紋の裃に白小袖

まず目につきますのは、水浅葱の無紋の裃(水裃と呼んでおります)、白小袖という拵えの者数名の存在。これなどはいわゆる<死装束>ですから、(ああ、この人たちは殉死する覚悟なんだな)とご想像がつくでしょう。真山氏のト書きでも、この拵えの者は「中に気早なるもの」と表現されています。しかし、大半の諸士は、普段通りの麻裃に、色みのある羽二重地の着物の者ばかり。では彼らのどこに死の覚悟が? ということになりますが、実は銘々の<襦袢>が純白のものになっており、ことあらば着物を肌脱ぎして、いつでも潔く死ぬことができるようになっているというわけです。普通諸士の襦袢は納戸色や紺色、花色(青)の襟、袖色となるところ。今月上演の他の場面では皆そのようになっております。この場に限って白襟、白袖のものにしているということは、お客様からはすぐにはわからないかもしれませんが、襟もとにご注目頂ければ、ご確認できると思います。(梅之芝居日記)

梅之さんのブログに興味深いお話が載っています。武士の習いとか、覚悟とか、そういった事が衣裳で分かるんですね。注目してみましょう。



梅玉の今月のひとりごと

昔から判官役者は切腹のあと、いつまでも楽屋に居てはいけないと言われております。「元禄忠臣蔵」とはいえ同じことと思い、播磨屋のせっかくのお誘いではございますが、早々に退散するようにいたしております。

こんな慣習があるんですね。面白いですね。

新歌舞伎といわれる昭和初期の作品ではございますが、いつまでも新しい感覚を持って、古典となっても生き続ける芝居と存じます。綺麗な女形さんが出る芝居と違って、男の芝居(今月は女形の衣裳を着た方は、子役含めて3人のみ)といえると思います。台詞は現代語でございますので、解りやすいと思いますし、誰でも知っている物語。こういう作品から歌舞伎に親しむのも良いかもしれません。また「仮名手本忠臣蔵」と違った忠臣蔵を楽しむのもよろしいかと存じます。芸術の秋に、芝居見物も宜しいかと……。(baigyoku.com ひとりごと)

梅玉さんもおっしゃっているように「仮名手本忠臣蔵」とは違った「忠臣蔵」も良いものです。



三津五郎の演目豆知識

佐々木盛綱=真田信之、佐々木高綱=真田幸村、北条時政=徳川家康、そして、和田兵衛秀盛は後藤又兵衛です。この段以外の登場人物も、頼家=秀頼、時姫=千姫、三浦之助=木村重成、片岡造酒頭=片桐且元となっています。このようにうまくふたつの時代の人物を置き換えています。(三津五郎の部屋)

時代物とは何かややこしいという先入観を抱きがちです。三津五郎さんが分かりやすく解説して下さり、頭が整理できます。「盛綱陣屋」「鎌倉三代記」「義経腰越状」の作品の関係が理解できます。



ダンスマガジン 11月号 

渡辺 保先生が、雀右衛門丈の「現在道成寺」についてすばらしい一文を書かれました。株式会社 新書館刊 ダンスマガジン 11月号  1500円一般書店で購入できます。手に入らない場合の問合せ先 : 新書館営業部  03-5970-3840 (中村雀右衛門公式ホームページ)

ダンスマガジンという雑誌は歌舞伎のことも書かれているようです。書店で見つけてみます。



2006年10月9日月曜日

2007/6 博多座

来年の6月に博多座で「NINAGAWA十二夜」が再演されるようです。歌舞伎でシェークスピアをどう料理するのかと大変話題になりました。初日を迎え、驚きました。大道具のミラー、洋楽チェンバロの演奏、セリフは殆ど原作の翻訳がベース、新しいことばっかり、でも「歌舞伎」なんです。立派に歌舞伎としての「十二夜」でした。主演の三役を演じた菊之助は数ある戯曲からこの「十二夜」を自ら選びました。このチョイスがまず成功に導いたと思います。配役は初演通りかは分かりませんが、亀治郎が出演できるか気になるところです。







http://www.hakataza.co.jp/lineup/2007.html#



2006年10月8日日曜日

「元禄忠臣蔵」第一部 三日目観劇

開場40周年記念公演として、今回この演目を選んだことに意義を感じます。



現在活躍の役者さん達は歌舞伎の将来に危機感を持っていて、何か新しいことをしなければ、現代のお客さんにも分かりやすいお芝居を、と皆さん考えています。その前向きな姿勢が感じられ、最近の舞台は活気を呈し毎月目が離せません。



しかし、あまりにも観客を意識しすぎて、上っ面の面白さに頼っているようなきがします。



今回、真山青果の「元禄忠臣蔵」を見ると、これが求めているものなんだ、と気が付きました。青果の戯曲は史実を踏まえ、骨格もくっきりと描かれ、人物の性格も対位的に書かれています。そしてセリフが長いことも特長です。



三日目ということで、数人の役者さんはまだ完璧に入っていませんでしたが、長セリフの応酬は目が覚めるように鮮やかで、思わず引き込まれてしまいます。



私の頭の中では「仮名手本忠臣蔵」が基盤にありますので、史実はこうであったのか、この人は歌舞伎のあの役名の人のことか、等思いめぐらすのも面白かったです。



配役についても今月は適材適所、主演の大石の播磨屋はもちろん上々の出来、梅玉の浅野内匠頭、富十郎の井関徳兵衛、も良し、しかし何と言っても今月のキーパーソンは多門伝八郎・堀部安兵衛の二役を演じている歌昇です。



国立劇場でなければ出来ない企画、しかも3ヶ月にわたる通し上演、久々に見る硬派のお芝居、歌舞伎座は行ったことあるけど国立は・・・と思っていらっしゃる方、是非是非、見に行って頂きたいです。今回見逃すと数十年見られないと思います。



2006年10月7日土曜日

山本東次郎 囃狂言「獅子」について

この曲の見どころは、舅(しゅうと)から所望された獅子の舞を聟が舞う場面。能『石橋』や『望月』の象徴的な「獅子」に比べ、狂言では写実的な型が多くあります。



若獅子が自慢げにたてがみを振り立てる「たてがみ巻き上げ」、親獅子が子の増長を戒め、谷に蹴落(けお)とす「谷落とし」、必死に這(は)い上がってくる「谷上がり」、登り切って汚れた髪を清流で洗う「髪洗」。 



親獅子が子獅子を谷底へ落とすのは、子の勇気を試すため。父は能楽界でも有名なスパルタ親父で、私や弟たちは稽古のたび、どれほど蹴落とされたか知れません。負けるものかと這い上がり、また挑戦する、その繰り返しの毎日でした。 今になって思うのは、それは必ず這い上がって来てくれると信じているからこそできたこと。親と子が深い愛情と信頼で結ばれていなければ、ただの虐待です。我が子を真に自立させるため、心を鬼にして厳しい試練を与えねばならない親こそ、より深く大きな愛情と勇気を試されているのです。(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061007/ftu_____mei_____002.shtml)

能の「石橋」は見たことありますが、囃狂言の「獅子」というのはありません。この文を読むと長唄「連獅子」の踊りにより近い気がします。観てみたくなりました。



<親と子が深い愛情と信頼で結ばれていなければ、ただの虐待です。>



今、社会問題になっている「虐待」のことを考えると親子の信頼関係が薄くなっているのでしょう。又学校の教師は厳しく生徒に罰を与えると、すぐ訴えられてしまいます。



中学生、高校生にこの狂言を見せて欲しいですね。きっと何か心に残ると思います。





2006年10月6日金曜日

クイズ$ミリオネア 三津五郎1000万獲得

「クイズ$ミリオネア」みていただけましたか?出演が決まったときは「緊張するかな…」と思ったのですが、最後は「楽しんでやろう」という気持ちになったのがよかったのかもしれません。巳之助のテレホンでの即答ぶりには、私はもちろん一緒に出てくれたお弟子さんたちもびっくりでした(三津五郎の部屋)

テレビの前で声援おくっていました。もう写真がアップされるなんてスゴイ!熱海旅行になるかしら?



渡辺保の劇評 10月歌舞伎座

総じてこの勘平は長身痩躯、スッキリとして、カドカドの姿がよく、芝居の世話の味、しかもこころの真裸々な描写が見事で堪能させた。(2006年10月歌舞伎座)

仁左衛門の勘平は菊五郎型を基本に独自の型を作っているとのこと、関東の者にも違和感なく見られる。渡辺保がいうように<スッキリとして、カドカドの姿がよく>惚れ惚れする勘平です。



團十郎さんが完全に復帰の様子、うれしいですね。



2006年10月4日水曜日

三津五郎の今月のメッセージ 10月3日

どちらも先輩を相手に拮抗する役まわりで、責任の重さを感じると共に、舞台での大きさが出るように、位負けせず立派に勤めたいと思っております。(坂東三津五郎公式ホームページ)

藤十郎襲名興行に出演、大事な役どころで舞台を盛り上げてくれると思います。



京都南座2007/3

「三月花形歌舞伎」 1日~23日



中村橋之助 片岡愛之助 中村勘太郎 中村七之助 他



演目等未定



出演者だけですが決まったようです。



福助気ままに語る 10月1日

来春、テレビ東京でオンエアされるスペシャルドラマ「李香蘭」に出演することになり、そのロケで、中国・上海に10日間ほど出かけます。これは、日本人に生まれながら、中国人歌手・女優として生きた李香蘭こと山口淑子さんの波乱の生きざまを描いたドラマで、主演は上戸彩さん。私が演じるのは、長谷川一夫さんです。生前一度だけお目にかかったことがありますが、幾つになられても品格があり、理知的なダンディで、本当に魅力的な方でした。今から長谷川一夫さんが出演されていた映画やテレビを見て、研究に余念がありません。ドラマ放映はまだ先のことですが、皆さん、ご期待くださいね。 (福助 気ままに語る)

秀山祭のことと、来春放映のテレビドラマ出演のお話です。長谷川一夫さんのお役のようです。「目千両」といわれた長谷川一夫さん、多くの女性を魅了した人でした。福助さんの長谷川一夫、楽しみです。



国立劇場開場40周年記念特別サイト

公演記録映像などの上映と各界からお招きする講師のお話で毎回ご好評をいただいている伝統芸能講座。今回の講師は、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんです。(イベント案内|日本芸術文化振興会)

特集サイトがあります。各食事処の案内から新調されたジュータンの紹介、各イベントの案内などがまとめてあるので、見逃していないかチェックできます。



愛之助さんの講師のレクチャーの締め切りは10月27日です。



2006年10月2日月曜日

玉三郎の今月のコメント

ほんとうに夢のような南の島でした。これからも色々な海を探して、潜ったり休んだりして行こうと思っていますが、皆様も機会がありましたら素晴らしい海を見て、都会の中で仕事をしてきた疲れを癒したり、空中に飛んでいる電磁波などから逃れるためにも、お薦めしたいと思っております。海の美しさ、素晴らしさというものは言葉では言い尽くせるものではありません。10月中頃にはタヒチで撮影致しました動画を少しですが、掲載させていただきたいと思いますのでご覧くださいませ。(坂東玉三郎ページ)

今回は夏休みに行かれたお話です。玉三郎さんすっかりリフレッシュされたようですね。来年には又素晴らしい舞台で魅了してくれることでしょう。



「気品と愁いの漂う菅丞相」吉田玉男さん追悼 演劇評論家・津田類

しかし、出遣いの玉男さんはどんな役を遣っても、遣い手が表情を出すことは決してなさらず、すべて人形に客の目を集中させようとなさった方だった。羽織落としの忠兵衛も、人形が遣い手の心を伝えてくれたのである。これは後輩たちが学ぶべき課題であろう。

人形遣いが表情を出してしまうと、人形が死んでしまう。人形を生かさなければいけない。これはかなり難しいことと思います。玉男さんをお手本に研究していただきたいです。

〇二年五月の国立劇場で演じた「菅原伝授」の菅丞相が忘れ難い。気品と愁いの漂う丞相の姿は、玉男さんの芸の本質を見せたもので、歌舞伎の故十三世仁左衛門と共に長く残るだろう。 (演劇評論家・津田類) (http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20060930/ftu_____mei_____001.shtml)

菅丞相という役は文楽でも歌舞伎でも、誰もが出来る役ではありません。十三世仁左衛門と通じる所があるような気がします。



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