2006年10月8日日曜日

「元禄忠臣蔵」第一部 三日目観劇

開場40周年記念公演として、今回この演目を選んだことに意義を感じます。



現在活躍の役者さん達は歌舞伎の将来に危機感を持っていて、何か新しいことをしなければ、現代のお客さんにも分かりやすいお芝居を、と皆さん考えています。その前向きな姿勢が感じられ、最近の舞台は活気を呈し毎月目が離せません。



しかし、あまりにも観客を意識しすぎて、上っ面の面白さに頼っているようなきがします。



今回、真山青果の「元禄忠臣蔵」を見ると、これが求めているものなんだ、と気が付きました。青果の戯曲は史実を踏まえ、骨格もくっきりと描かれ、人物の性格も対位的に書かれています。そしてセリフが長いことも特長です。



三日目ということで、数人の役者さんはまだ完璧に入っていませんでしたが、長セリフの応酬は目が覚めるように鮮やかで、思わず引き込まれてしまいます。



私の頭の中では「仮名手本忠臣蔵」が基盤にありますので、史実はこうであったのか、この人は歌舞伎のあの役名の人のことか、等思いめぐらすのも面白かったです。



配役についても今月は適材適所、主演の大石の播磨屋はもちろん上々の出来、梅玉の浅野内匠頭、富十郎の井関徳兵衛、も良し、しかし何と言っても今月のキーパーソンは多門伝八郎・堀部安兵衛の二役を演じている歌昇です。



国立劇場でなければ出来ない企画、しかも3ヶ月にわたる通し上演、久々に見る硬派のお芝居、歌舞伎座は行ったことあるけど国立は・・・と思っていらっしゃる方、是非是非、見に行って頂きたいです。今回見逃すと数十年見られないと思います。