2006年11月9日木曜日

渡辺保の劇評 11月国立劇場

なかでは「御浜御殿」がいい。第一に戯曲として他の幕にくらべて格段にすぐれているからであり、第二に梅玉の綱豊、翫雀初役の富森助右衛門が新鮮だからである。(2006年11月国立劇場)

藤十郎の内蔵助、「元禄忠臣蔵」第二部です。幕開けの、屏風の陰に浮橋といる艶っぽい場面から、どうしても先月の吉右衛門の内蔵助と同一人物だとは思えませんでした。



「面ないちどり」のさわぎも、今一つ明るくないように感じました。ここが華やかでないと、後の主税に本心をうち明ける場が引き立ちません。



「御浜御殿」は渡辺保さんがご指摘のように、一番良かったです。良く書けているし、歌舞伎っぽい出来で、ここが度々単独で上演されるのが分かります。



梅玉さんの綱豊卿はニンもあっていますし、心情も良く分かり素晴らしかったです。



「南部坂雪の別れ」は、いよいよ討ち入りという流れが分かって、観客もほっとします。



そして、来月に気持が動きます。