2008年8月10日日曜日

三津五郎の今月の役どころ 2008年8月

「つばくろは帰る」 大工 文五郎川口松太郎先生の作品で、昭和46年明治座で故尾上松緑のおじさんと淡島千景さんで演じられ、子役の岡村清太郎(現在の清元延寿太夫)が大評判をとりました。その舞台を覚えていて、改めて本を読みなおしてみました。すると、まず分かりやすく楽しい芝居であること、また福助さんと私、子役の小吉、勘太郎、七之助、巳之助など、それぞれの配役がぴったりはまること、そして、何より人間の温かさがお伝えできる芝居であることなど、納涼歌舞伎にはぴったりと思い、この作品を選びました。大工の親方と弟子たちの信頼感あふれるやりとりや、歌舞伎にしては珍しい京都の芸妓舞妓の風情、親子の情愛など、よき日本人の心をお伝えし、皆様の気持ちが温かくなるような作品にしたいと思っております。(今月のスケジュール)

今月の4役についてのコメントでず。話題の3部は別としまして、私はこの「つばくろは帰る」が楽しみです。山本周五郎の作品「泥棒と若殿」がとっても良かったので、これも大いに期待です。以前はこういう書き物の芝居をよく見ましたが、最近は新しい物というと、もっとインパクトの強いものが喜ばれていて、さらっとしたのが置いてけ掘!になっているように思います。江戸の市井に生きる人々の心温まる話し、取り上げてくださる大和屋さんに感謝です。