2008年9月6日土曜日

渡辺保の劇評 2008年9月新橋演舞場

「鏡獅子」の原曲でありながら、二番煎じのように見えるのは、あまりに「鏡獅子」がポピュラーになったためか。一度新しい振付で見たい。 (2008年9月新橋演舞場)

時蔵の尾上が良いとのこと。亀治郎の動と時蔵の静との対比が面白いと思います。後半の観劇が楽しみであります。



昼の部は4日に観ました。渡辺先生ご指摘のように、海老蔵には大変魅力的なところがあり、初役から回を重ねる毎に良くなっていくと思われます。しかし、基本的なセリフが不安定なのは困ります。彼は義太夫のお稽古をしているのか、もし、あまり勉強していないようならやるべきですね。声の出し方、セリフ廻しが違ってくると思います。



「枕獅子」について、少々私の感想を申します。ご存知のように「鏡獅子」の原曲ですが、本家より馴染みのある「鏡獅子」とどうしても比較して観てしまいます。歌詞がおおかた似ているばかりでなく、踊りの振りも同じような手がついています。小道具の違い「鏡獅子」が袱紗なら「枕獅子」は手拭い、持ち扇が団扇、二枚扇が振り鼓、など面白いと感じました。



以前に歌右衛門が踊ったのを、今回復活したようです。長唄は「枕獅子」の本編にかむろの踊るところは入れ事で、後シテは勝三郎「連獅子」と継ぎ接ぎです。



プログラムを買っていないので振付がどなたか分かりませんが、白紙に戻しての新しい振付を望みます。



「鏡獅子」は前と後両方出来ないと踊れませんが、真女形が踊るなら後シテがやさしい感じで、これも良いのではと思います。



結論は、九代目團十郎の高尚指向によってリメイクされた「鏡獅子」がいかに素晴らしいかを認識した次第です。