2008年11月27日木曜日

河村常雄の劇場見聞録 2008年11月新橋演舞場

梅幸の政岡は晩年だったためだろう、重厚で貫禄があり、慈愛と包容力に満ちていた。「慈母」であった。 菊五郎は、正義感が舞台を支配し、悪臣を懲らしめるお家物そのものであった。梅幸より歌右衛門に近い。「鉄母」とでもいおうか。 菊之助の政岡は幼子を持つ若妻。まだ顔が細いためか、片外しが大きく感じる。あふれる優しさは、「聖母」の如し。 父、子、孫と直系でありながら、かくも異なる味わい。現役の菊五郎、菊之助の政岡はこれからどう変化していくのだろうか、興味は尽きない。歌舞伎の面白さはここにもある。(河村常雄の劇場見聞録 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

私も、政岡を親子三代見ています。兎に角、梅幸の政岡は母性愛を感じました。菊之助は政岡の実年齢に近い、若い母親がいくらお家の為でも我が子を目の前で殺される、その悲しさ、不条理などが生に感じました。河村さんは、「聖母」の如し~と言って居られますが、実に清らかな政岡です。



「吉野山」の静は、やはり梅幸に似ていて、ほんわかと可愛ゆらしい感じでした。忠信が物語するところ、ただ座ってみているだけなのに、忠信をじっとみている姿があんなに可愛いくやさしい眼差しの静は初めてでした。父の忠信の時とは違いました。やはり変な緊張がなく同世代気持が通じるのでしょうか。松緑の忠信も大きく、明るくきびきびしていて良かったです。将来彼の代表となる踊りになるでしょう。こちらも三代の忠信をみています。