2011年6月27日月曜日

渡辺保の劇評 2011年6月演舞場


段四郎の大庭は、引込みに六郎太夫を罵るよう見せて実は梶原を罵倒するところで敵役のどす黒さが出た。さらにそのあとのにらみで悪をきかせていい。  歌六の六郎太夫もしっとりと父親の情を聞かせ、イキのいい歌昇の俣野、色気のある芝雀の梢とこの五人のアンサンブルがよくとれている。
(2011'>http://homepage1.nifty.com/tamotu/review/2011.6-1.htm">2011年6月新橋演舞場)

何回も見ている「梶原平三」ですが、今回はいつもと違いました。颯爽とした生締物という位置づけで終わっていたこの芝居の印象が違いました。吉右衛門にゆとりとか滑稽味が出てますます芸に磨きがかかったと思いました。今、渡辺氏の劇評を読み納得できました。単純な話ではなく深い人間ドラマだったのだと知りました。段四郎の大庭をはじめ五人の役者の適材適所、ハラで通じる演技力がこの一幕を面白く仕上げたのだと思いました。
「頼朝の死」では染五郎・愛之助のコンビ相性が良く、今後も再演を重ね磨いていって欲しいです。
「連獅子」は仁左衛門の慈愛に満ちた親獅子ぶり、物怖じしない千之助の仔獅子と、本当に微笑ましい親子のようでした。最近は実の親子で演じることが多いのですが、本来は狂言師右近、左近が親獅子と仔獅子に扮して舞い、後に獅子の精になるというものです。そういう意味では私が今まで見た中では竹之丞時代の富十郎と猿之助が良かったですね。(昼の部千秋楽観劇 夜の部未見)