2012年3月12日月曜日

渡辺保の劇評 2012年3月 平成中村座

結局昼の部は「舞鶴雪月花」が一番の見ものになる。上の巻「さくら」の七之助の桜の精についてはすでにふれた通り。中の巻の「松虫」は仁左衛門千之助。去年の「連獅子」とは違って物がモノだけにリラックスして微笑ましい。
つづいて勘三郎が自由闊達に「雪達磨」を踊る。まことによくわかる踊りで楽しい。最後に朝日に雪達磨が溶けていくさまを見せてせり下がると、向こうがの江戸の町並みの遠見に大きなお日様が出て、さらに劇場の後ろの壁を開けると隅田川にスカイツリーの遠景という趣向。後ろを開ける趣向は十一月以来毎度のことだが、今回が一番洒落て気が利いている。 
(2012年3月平成中村座)
批評を読むと新勘九郎は播磨屋の系統の方が合うのではないかとあります。私も初代吉右衛門の若い時の洋服のブロマイド写真が勘太郎(勘九郎)にあまりにも良く似ているので、この人はこちらの血筋が水に合うのではないかと思いました。素晴らしい多くの血統を受け継いでいるのですから、何でも挑戦して何十年後かに、自分にふさわしい役を確立すれば良いのではないでしょうか。「雪達磨」を以前富十郎のを見て感動しました。今月私は昼夜通してこれが一番見たい演目です。勘三郎も実に楽しく踊って、おまけにここならではのご趣向とやらがプラスされ、とても楽しみです。