2012年5月20日日曜日

黒石陽子の文楽評 2012年5月国立小劇場

「艶容女舞衣」美しさ堪能 国立小劇場「5月文楽公演」
『艶容女舞衣』は家庭内の救いの無い話を扱ったものだが、文楽が扱うとこのような詩的空間を作ってしまうという見本のような作品。中の松香大夫、清友は丁稚(でっち)長太の滑稽が楽しく、嶋大夫、富助による半七の父半兵衛とお園の父宗岸の父親同士、舅(しゅうと)同士の苦悩と悲しみの述懐の後、源大夫、藤蔵、簑助によるお園の口説きとなる。藤蔵は抑えた中にも底に艶やかさを湛(たた)えた音色で、源大夫は終始抑えた落ち着いた語り口でお園の心中を表現。簑助のお園の後振りをはじめとする種々の人形の型と、そこから醸し出される情は文楽人形ならではの美しさを堪能させてくれる。(東京新聞:<評>「艶容女舞衣」美しさ堪能 国立小劇場「5月文楽公演」:伝統芸能(TOKYO Web))
文楽ならではの美しさ情愛が堪能できる『艶容女舞衣』。勘十郎の『阿古屋』も素晴らしいようです。