2012年5月21日月曜日

劇評:團菊祭五月大歌舞伎 2012年5月大阪松竹座

実に倍以上の年齢差がある坂田藤十郎と尾上菊之助。今や最高峰となった80歳の人間国宝と、次々に大役に挑んで躍進する34歳の花形が恋人役でコンビを組む「封印切」(昼の部)は、世代交代期にある歌舞伎界の新鮮な息吹を感じさせる舞台となった。当たり役の藤十郎は小気味良い所作と捨てぜりふにまで行き渡る上方和事の完成品を披露。初役の菊之助が柔らかな色気を沸き立たせ、まっすぐな思いで当代随一の忠兵衛に寄り添った。(大阪松竹座「団菊祭五月大歌舞伎」 藤十郎と菊之助、随一の忠兵衛に梅川の華 :日本経済新聞)
大阪、文化担当の小山雄嗣氏の劇評です。「封印切」は年齢差を感じさせない恋人同士のようです。丸本物、舞踊、新作歌舞伎あり、又人間国宝を頭に若手まで全世代が同じ舞台を踏むという理想の座組で團菊祭ならではの大歌舞伎です。しかし、来年以降も大阪で行われるというのには、いささか不満です。江戸歌舞伎のお膝元東京で團菊祭が無くなったらとても寂しいです。菊五郎さん、團十郎さん、恨みますよ!