2012年10月10日水曜日

三津五郎の今月の役どころ 2012年10月

そしてこれまで歌舞伎では上演されなかった山口屋を初めて劇化いたします。この場はゆすりに来た道連れ小平を多助が見破るというのが眼目なのですが、この二役を同じ役者が演じるたため、劇化は不可能であるとして上演されませんでした。しかしこの場を上演しませんと、大詰めになぜ千両の炭が届くのか、お客様には何が何だか解らなくなってしまう。それを避けるために、小平と多助を早変わりでお見せすることによって解決し、お客様にも炭が届く意味が分かり気持ちよく幕切れを迎えていただきたい、というのがその狙いです。(今月のスケジュール)
《「塩原多助一代記」塩原多助 道連れ小平》 

今日見てきました。幕切れの千両の炭が実に活きていました。圓朝の人情噺、ちょっと文七元結の幕切れを連想しました。女房を迎え商いも繁盛し万万歳!気持よく帰れます。田舎訛りの純朴で人の良い人物と、悪者小平を鮮やかに演じ分け、小平も悪者ながらステキでした。どちらの役も三津五郎にぴったりです。