2013年3月15日金曜日

小玉祥子の劇評 2013年3月 国立劇場

原作の脇筋をカットし、分かりやすくしてある中に南北らしい聖と俗、美と醜の対面が生かされているのが魅力だ。  たとえば「渡し船」。清玄尼と惣太の船が、松若丸の船とすれ違う。丸坊主からやや髪の伸びた頭の福助に退廃的な色気が出た。「妙亀庵」では、荒れ果てた庵で、遊女に姿を変えた桜姫に、病みやつれた清玄尼が嫉妬心から襲いかかる。  とどのつまりは惣太に命を奪われる清玄尼の壮絶な姿に福助が美を点じ、松也がしたたかさ、すごみ、色気を備えた悪党をうまく見せた。隼人は将来が楽しみな端正な二枚目ぶり、児太郎も運命に翻弄(ほんろう)される姫をかれんに演じた。関屋の新悟も含め、若手が健闘している。翫雀の桜ン坊に得がたい愛きょうがある。(歌舞伎:隅田川花御所染 南北らしい「対照の妙」魅力に=評・小玉祥子- 毎日jp(毎日新聞))
南北の面白さが際立った出来で、出演者がそれぞれのお役を健闘。