2013年3月10日日曜日

天野道映の劇評 2013年3月 新橋演舞場

染五郎、菊之助の舞踊「二人椀久(ににんわんきゅう)」は、若さの花と芸の充実と、さらに演者の芸風の違いがうまくかみ合った名品である。  染五郎の椀久は鋭く折り目正しい。菊之助の松山は柔らかい。椀久は現実の男。松山は彼が抱く幻想の女。2人は微妙に踊りの波長が違う。  その波長が、ゆったりとした「筒井筒」のくだりの末にふと重なり合い、そこから息の合った早間の踊りになる。やがて松山は消え、椀久1人残される。その変化の妙に魅了される。(朝日新聞デジタル:新橋演舞場「三月花形歌舞伎」)
二人椀久については他の評では物足りない感じでしたが、天野氏は二人の芸風を分析し、分かりやすく解説しています。この踊りは変化に富んでいますから、長唄のリズムに乗り、気分も変えられやすいです。 演者の芸風の違いがうまくかみ合った名品である・・・ 染五郎・菊之助のコンビで他の舞踊も見たいですね。