2013年5月17日金曜日

渡辺保の劇評 2013年5月 国立劇場

今度の前進座の「御浜御殿」は、いつも見慣れた「御浜御殿」とは大分様子 が違っている。そのもっとも大きな違いは場割り(十島英明演出)と装置(鳥 居清忠美術、鳥居清光補)である。(2013年5月国立劇場)
いつもと大分違っているようです。
つづいて庭先。ここが面白い。舞台下手から梅之助の小谷甚内に案内されて 助右衛門が出る。この梅之助が役を仕生かして傑作。下手から出た助右衛門の 先に立つ梅之助が出たところで、梅之助とわかった客席から拍手か起こった。 するとひょいと軽く、ほとんど無意識に客席の方を向いた梅之助がお辞儀をし た。むろん芝居からいえばとんでもない。小谷甚内が客席にお辞儀をする理由 はない。しかしいかにも前進座の座長を長年務めてきた役者気質、梅之助らし い愛嬌ではないか。見ていて実に春風駘蕩。ほほえましかった。(2013年5月国立劇場)
梅之助さんの休演、残念です。