2014年1月24日金曜日

犬丸治の劇評 2014年1月 歌舞伎座「九段目」

屈指の大曲・難曲。前半のドラマを一身に背負うのが藤十郎。大星の妻のお石いし(中村魁春)に祝言を拒絶され絶望しての母娘の嘆きは、義太夫の修練を積んだ人だけに、セリフの応酬一語一語が張り詰め、粒立つ。小浪を手にかける寸前、尺八の音にジッと耳を傾け、右手でトンと刀を突いての立ち姿は、苦悩を内に秘めながら時代物の立女形たておやまの風格が大きく美しい。扇雀の小浪もかれんな中に、夫の家で死ねれば本望という少女の情熱をとらえている。([評]寿初春大歌舞伎(松竹) : 伝統芸 : 舞台・伝統芸 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))
藤十郎は近松の男女の情のドラマより、丸本物の女形のお役のほうが好きです。若手は特に教わって欲しいです。