2014年9月18日木曜日

上村以和於の随談第531回 今月のあれこれ 2014年9月

法界坊の愛嬌と吉右衛門の芸の愛嬌は反りが合う上、「三囲土手」になってにわかに法界坊に陰惨・強欲の気が現われて野分姫を殺しにかかる「矛盾」も吉右衛門の芸の振幅の間に納まるのだが。結局光秀は、吉右衛門の時代物としてややユニークな一篇というべきか。
どちらも米吉とカップルの役だが、それがいかにも好一対のカップルに見える。もちろん役の上では好一対の役には違いないが、中堅陣のリーダー格たる染五郎が、今度初めて本格的な役らしい役をつとめている米吉と、ストレートに好一対に見えるというのは、さてどういうものだろうということである。
『連獅子』は千之助にとっては、この体験がさまざまな意味で、生涯のよき体験となることだろう。(演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト)
新聞評より細かに書いています。今月の歌舞伎ばかりではなく、演舞場、文楽、新国立、朝ドラまで思うところを綴っています。なかなか興味ふかいです。