2014年9月6日土曜日

渡辺保の劇評 2014年9月 歌舞伎座

九月歌舞伎座夜の部の「太功記十段目」、吉右衛門の光秀が傑出している。 私は初代吉右衛門の光秀も白鸚の光秀も見たが、今度二十三年ぶりに見る吉右 衛門の光秀は、祖父や父とも違って吉右衛門独特の傑作である。
千之助の子獅子は三年前とは当然のことながら大きく成長して、品のあるス ッキリした顔立ちの輪郭が祖父譲りのいい役者ぶりになった。前回は仁左衛門 が千之助を気遣うのがほほえましかったが、今回は仁左衛門が千之助に助けら れているところがあって。仁左衛門もそれがまたいかにも幸せそうである。(2014年9月歌舞伎座)
肚がある演技が観客を魅了するのだと実感しました。
千之助は踊りもしっかりしていて、将来が楽しみです。「連獅子」というものは、長唄の詞章も踊りの振りも実にうまくできていて、踊り手はさぞ気持ち良かろうと思います。迫力ではなく、優しさ情を感じる「連獅子」でした。