2014年12月12日金曜日

河村常雄の劇評 2014年12月 国立劇場

又五郎は前幕で毅然とした殿さまを演じたあと、ここでは調子のいい三枚目。正反対の役をうまく演じ分けている。
吉右衛門は政右衛門に降りかかる陰惨極まりない悲劇を、武士道精神、夫婦愛、師弟愛をきっちりふまえながら描いていく。歌六も幸兵衛を古武士のような確固とした肚で演じる。芝雀も夫や子を思う心が伝わり哀れである。この3人が揃って、名場面になった。最近、文楽の「岡崎」を見て、たび重なる偶然にいささか失望したが、この舞台はそれは全く感じさせなかった。(河村常雄の新劇場見聞録)
役者が揃わないと難しい「岡崎」なのだと思います。
志津馬はただ良い男だけではないのですね。お袖がポーっとなって手拭い落とすほどの美男ではありました。