2014年12月7日日曜日

石井啓夫の劇評 2014年12月 歌舞伎座

夜。海老蔵が一転、水を得た魚、市川團十郎家に伝わる荒事、愛嬌(あいきょう)の魅力を独壇場の輝きで見せる。歌舞伎座では初めての「雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」の通し上演。父・團十郎らも勤めた3役に加え、5役に挑む。なかでも「毛抜」の粂寺(くめでら)弾正が傑出。若衆、腰元を口説き、相次いでフラれる愛嬌。「鳴神」の上人(しょうにん)では雲の絶間姫(玉三郎)と絶好の色模様。謀られたと知って、怒髪、天を突く柱巻きの見得が見事だ。早雲王子の悪、安倍清行の作り阿呆(あほう)風な白塗り顔もおかしい。大詰、宙に浮かぶ不動明王で幕。(【鑑賞眼】歌舞伎座「十二月大歌舞伎」 見事な5役、海老蔵の独壇場 - 産経ニュース)
海老蔵は荒事です。魅力いっぱいに大きく、おおらかに演じて成田屋の頭にふさわしい舞台です。