2015年3月8日日曜日

渡辺保の劇評 2015年3月 国立劇場

江戸前で、細面で、スッキリして、イキのいい こと。とかく肥った新三が多いなかで、このスッキリさはみとめられていい。 悪が効いているのもいい。新三は小悪党、悪い奴には違いないが、それが世話 狂言の主役として愛嬌もあり、イキにも見えて人に好かれなければならない。 根っからの敵役では困るからである。
第二に秀調の車力の善八。この役はこの人の当り芸。今さら言うまでもない が、その人のよさ、その誠実さ、その三枚目ぶり、いうところのない傑作であ る。ことに今度は新三の内からお熊をとりかえして喜び勇んで花道を入るとこ ろは絶品である。(2015年3月国立劇場)
秀調の車力の善八は絶品です。