2015年3月15日日曜日

上村以和於の劇評 2015年3月 歌舞伎座

「車引」「賀の祝」「寺子屋」と続く夜の部は、さながら近未来の歌舞伎を支える面々の試金石を見る趣。いずれも精いっぱいの熱演で好もしいが、見る方も熱が入って少々くたびれる。染五郎が後半は松王丸に転じて線の太さ、手強さを身に付けつつある右肩上がりぶり。することは的確である。愛之助の梅王丸は正攻法で役に取り組む姿勢がいい。仁・柄とも一番の適任は菊之助の桜丸だが、難関の「賀の祝」を精いっぱいの努力で持ちこたえた。左団次の白太夫が渋いところを見せる。  「寺子屋」は今月これ一役の松緑の源蔵がストレートをビュンビュン投げる熱血投手のよう。壱太郎の戸浪ともども「筆法伝授」と配役が替わる。孝太郎の千代、亀鶴の玄蕃がさすがに兄貴格らしい一日の長を示す。(歌舞伎座3月公演 仁左衛門の菅丞相 必見 :日本経済新聞)
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