2015年12月30日水曜日

上村以和於の随談 「若手役者年間賞」歳末特別付録

「若手役者年間賞」を歳末特別付録
トリプルスリー 菊之助  ・知盛(盗塁=あれよという間に二盗・三盗・本盗をたてつづけに決めた。いや、まさかのランニングホームランというべきか? 但し、旅では魚屋宗五郎までしたそうだが、宗五郎の肌ぬぎと弁天小僧の肌脱ぎは意味が違う筈。聡明な菊之助がそれを知らない筈はないのだが・・・? ・信夫(本塁打=振袖を着た女房役という味な役で若女形としての本領発揮。再演の玉手御前は、悪くはなかったが初演の鮮烈さに代る「何か」がいまひとつ明確に見えずフェンス越えとは行かなかった。) ・敦盛&小次郎、犬塚信乃(打率3割=若衆方としての稟質の純度と高さは抜きん出ていた)
長打率 七之助(お三輪=平成中村座では「御殿」、歌舞伎座では「杉酒屋」「道行」で合わせて一本。いや柔道の話ではありません。お父さんを亡くしてこの方の長足の成長ぶり。雪姫、おちくぼの君等々、長打連発。
打点王 染五郎(『四谷怪談』の5役、豆四郎、実盛と、打撃に幅が出来、若き4番打者としての風格(のようなもの)を思わせた。但し富樫は、喉を絞った発声などやや元の木阿弥の感あり、新大関昇進はもう一場所、見送りか。(アレ? いつの間にか相撲の話になっていた!)
特別賞 尾上右近(「研の会」で踊った『鏡獅子』。打球は遥か場外へ消えた。「諸君、脱帽だ。天才が現われた」と叫んだという故事は、誰が誰のことを言ったのでしたっけ?)
敢闘賞 巳之助(棒しばり、芋掘長者=悲しみに耐えてよく頑張った!感動した!)
びっくりポン賞 隼人(『おちくぼ物語』の左近少将=あれは誰だろう?と筋書の配役表を見直させた。) この他にも好成績・好舞台は多々あったが、賞の数はあまり多くない方が値打ちがある。またの機会ということにしよう。(演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト)
いずれも成長目覚ましい面々です。