2015年12月6日日曜日

渡辺保の劇評 2015年12月 歌舞伎座夜の部

御殿になる。  まず鱶七上使。今度の「妹背山」第一の当りは松緑の鱶七である。すでに前 回銀座セゾンで実験済みであるが、今度は歌舞伎座の大舞台どうなるかと思っ たが、堂々たる出来である。まずせりふがいい。まだ言葉尻に多少の癖が残っ ているが、明快でキッパリしている。それにこれは入鹿の歌六のよさにも助け られている。歌六は最初の「百司百官」が甲高すぎるがせりふ廻しが明快。芝 居がハッキリしていてよくわかる。今度の鱶七上使は、この二人がいいために 二人の議論の筋道がいつになくよくわかって面白い。ここが夜の部一番の見ど ころ聴きどころである。(2015年12月歌舞伎座夜の部)
玉三郎の健康を考えて松竹は出演を決めてほしいです。大事な大切な女形さんですから気を遣って頂きたいです。