2016年1月22日金曜日

長谷部浩の書評 市川猿之助、光永圓道『猿之助比叡山に千日回峰行者を訪ねる』(春秋社 2016年)

第五話の冒頭で「千日回峰を知れば知るほど、なんかこう、私たちの世界に重なってきます。不遜なことかもしれないですけれど、ほとんど同じだと言ってもいいくらいです、その精神的過程においても、このお行という実践が他の文化的営みに共通しているという認識はおありでしょうか」 と、阿闇梨に問うている。二十五日間休演日なしの興行が連続する歌舞伎役者には、現代演劇の俳優にははかりしれぬほどの肉体的精神的な抑圧がかかっている。その道を走り抜けてきた自信がこの言葉となっている。そして、これまでの常識、歌舞伎界の慣例を打ち破り、現在私たちが呑み込まれている無力感に対して、宗教や歌舞伎が何を語るべきかを問うている。(TheaterGoer Directoy    長谷部浩の劇評)
今までもテレビでお寺を訪問する番組などで、仏教の知識、歴史の知識が半端ないと思っていましたが、この書評を読む限り相当精神的世界が深いようです。改めて肉体的にも精神的にも大変な25日間を戦い続けてるのだと感じます。