2016年2月10日水曜日

河村常雄の劇評 2016年2月 歌舞伎座

大ベテランが新作通し狂言の主役に挑戦することに敬意を表したい。
次の「籠釣瓶」が今月最も見応えがあった。吉右衛門の佐野次郎左衛門。「見染」で吉原の花魁八ツ橋に腑抜けにされる件が秀逸。男の性がうまく出る。入れあげた八ツ橋に愛想尽かしされて発する、「そでなかろうぜ」の名セリフに無念の思いがこもる。八ツ橋ら多数を殺害する大詰「立花屋二階」は復讐の鬼と化した次郎左衛門に鬼気迫るものがある。
菊之助の八ツ橋がいい。苦界に身を沈めながらも、芯の強さを見せる花魁である。それが、愛想尽かしにも生きてくる。昼の濃姫と共に結構。(二月大歌舞伎評: 河村常雄の新劇場見聞録)
今月の「籠釣瓶花街酔」は断然良い。是非見て頂きたいです。

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