2016年2月18日木曜日

天野道映の劇評 2016年2月 歌舞伎座

菊之助は遊女というより、女というジェンダーを描いている。声も体も凜(りん)としているが、ふと目を伏せる時、心はやはり血の涙を流している。  それは不義理を嘆くのではなく、我が身の不条理を嘆く涙である。廓(くるわ)は社会制度そのもの。女は男の欲望の対象としてではなく、なぜ自らの意思で人を愛することが出来ないのか。男も同じ制度の中にいる。次郎左衛門のあばた面は男が担う不条理の記号である。彼は金を出さなければ愛を得られない。((評・舞台)歌舞伎座「二月大歌舞伎」 菊之助、りんとした女心:朝日新聞デジタル)
廓の掟、不条理を見事に表現したと思います。

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