2016年3月8日火曜日

渡辺保の劇評 2016年3月 歌舞伎座

いよいよ眼目の爪先鼠になる。お父さんはここが独特であった。すなわち三 段に分かれる。第一段の夫との別れ、第二段の敵が大膳であることを夫に知ら せたい、第三段の爪先鼠。この三段が整然としていて舞台が盛り上がった。そ の上縛られている体の上半身と下半身とがねじれる姿が実に美しかった。しか し新雀右衛門もこれを学んでいい。またまだお父さんほどではないがこれから だろう。  
以上まだ十二分とはいかないにしても美しさといい、正確な芝居といいよく お父さんの仕事を学んで上出来である。(2016年3月歌舞伎座)
父をほうふつとさせる雪姫。口上の東蔵さんの親身の忠告が心に残ります。