2016年5月12日木曜日

渡辺保の劇評 2016年5月 歌舞伎座

次が菊之助、海老蔵の「男女道成寺」。  紅白の段幕が上がって二人が並んでいるところはいずれ劣らぬ美しさ。昼の 部からようやく夜の最後になって二人の新鮮さ、今を盛りの「時分の花」が咲 いた。仁左衛門、玉三郎に比べて色気が淡泊な違いはあっても、この世代の代 表的な絵である。ある意味ではこれが今月一番の見もの。ことに菊之助は昼夜 を通してこの花子が、余裕もあり、豊かで、艶やかで、踊りとしても面白く一 番の出来である。  海老蔵は「早乙女早乙女」の後の鐘を見込んだ一瞬の目のきらめきが蛇体の 本体を暗示して鋭い。(2016年5月歌舞伎座)
花形揃いの團菊祭、海老蔵も菊之助もまだ課題はあるものの、30代後半の今を生きる役者としての意気込みを感じます。松緑が源蔵、光秀とも好成績です。
男女道成寺はこの二人に限ります。

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