2016年5月22日日曜日

今週の本棚 書評渡辺保 『天才と名人−中村勘三郎と坂東三津五郎』=長谷部浩・著

この二人の死は、今日第一線の名優たちにつづく次の世代への歌舞伎史上の大きな空白になった。二人の後に続く世代は、一世代以上違う染五郎、猿之助、松緑、菊之助、海老蔵になってしまった。この一世代の断絶は歌舞伎にとって由々しい危機なのである。  その意味でこの本は、二人の面影を偲(しの)ぶ本であると同時に歌舞伎の現状に対する二人の遺書であり、また歌舞伎に対する警告の書でもある。(今週の本棚:渡辺保・評 『天才と名人−中村勘三郎と坂東三津五郎』=長谷部浩・著 - 毎日新聞)
単に面影を偲ぶという本ではなく、天才と名人がいかに歌舞伎を演じていたか、後輩への継承の責務を重く感じていたか、渡辺氏は二人の遺した歌舞伎への「警告の書」と言っています。


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