2016年8月13日土曜日

河村常雄の劇評 2016年8月 歌舞伎座

第一部は「権三と助十」。かご屋の権三と助十が殺人犯を見たことでひと騒動起こる喜劇である。獅童の権三、染五郎の助十、七之助の権三女房おかん、巳之助の助十の弟助八で、彼らの親世代同様とはいかないまでも、江戸の風を感じさせる水準の高い世話物を作った。
珍道中の果てにクジラに乗ったり、ラスベガスのカジノで遊んだり、最後は2人で宙乗りの大サービス。近年腕を上げている2人だけに、じっくり義太夫物など見たいところだが、これもまた楽し。
勘九郎は真面目男が仁に合い、うまく笑いを集める。七之助は浦里が田舎訛りで身の上を語る件に情があり、欲得抜きで宗十郎のために寄り合いに来る件は胸のすく見せ場になっている。(河村常雄の新劇場見聞録)
各部とも好評。江戸の下町の暮らしぶりが彷彿とする世話物。文句無しに楽しい弥次喜多。落語の世界を見事に歌舞伎にした新作。彼等は決してこの種だけではありません。骨太の時代物も手がけます。8月の納涼歌舞伎は今年のような出し物でよろしいと思います。

ブログ アーカイブ