2016年9月26日月曜日

上村以和於の今月の舞台から 2016年9月

魁春の常盤が、かつて加賀屋橋之助時代のこの優に、義父歌右衛門がその教育方針を問われて、行儀のよい品格ある役者にと答えたという、その通りの姿となっていまそこにいる。この人の定高を見たいと思う。政岡ももう一度見たいと思う。戸無瀬や萩の方やを見たいと思う。 私は歌右衛門を信者として神の如くに拝跪した体験を持たない者だが、しかしこの種の役を演じる歌右衛門をその盛りの時代に(正直、時としてやや辟易しながらも)見たことを貴重な体験であったと信じる者でもある。魁春は、義父のそうした役々を、間近にあって熟知するどころか、雛鳥や小浪や初花姫等々で四つに組んで芝居をした人である。そうした体験を、この人ほど数多く持つ優は他にない。(演劇評論家 上村以和於オフィシャルサイト)
魁春さん自身、好きなお役は?との問いに「片はずし」と答えられています。同じ舞台で間近に歌右衛門の演技を観てきた訳ですから、頷けます。

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