2016年10月19日水曜日

小玉祥子の劇評 2016年10月 国立劇場

由良之助は幸四郎。切腹した判官に後事を託され、「委細」と低声に言い、全てを受け止める姿に大きさが出た。「城明渡し」では、判官から託された腹切り刀の血を手のひらに受けてなめ、師直の首をかき切るしぐさをする。ここから全てが始まると実感させられた。  梅玉はおっとりとして品があり、師直の侮辱を腹に据えかねた、やむにやまれぬ気持ちからの刃傷であることに説得力をもたせ、切腹の哀れさにつないだ。(歌舞伎:仮名手本忠臣蔵 幸四郎の由良之助に大きさ=評・小玉祥子 - 毎日新聞)