2017年1月24日火曜日

池内紀の書評 『二代目 聞き書き 中村吉右衛門』小玉祥子・著

『二代目 聞き書き 中村吉右衛門』小玉祥子・著
丁寧な聞き書きを通して人となりがよくわかる。問いの前で佇(たたず)み、思案のあげく決断していく。しばしば自分の答えに翻弄(ほんろう)されたが、それは当人が背負っていくべきこととこころえている。大きな運命と、そのなかで見つけた小さな自由。まさにそのなかで吉右衛門は着実に大きくなった。人が気づいたとき、はるかに見上げるような大木に育っていた。(SUNDAY LIBRARY:池内 紀・評『二代目 聞き書き 中村吉右衛門』小玉祥子・著 - 毎日新聞)