2017年2月4日土曜日

長谷部浩のの劇評 2017年2月 歌舞伎座

菊五郎の台詞回しは、さらさらとして作為を消し去っている。藝境がさらに淡々と澄み渡っているのがよくわかった。
江戸の人達の暮らしぶりが見られる世話物の舞台は楽しい。見たことのない牢屋の場は役者さんも楽しんでいるようです。
練りに練った仇吉と米八のやりとりを、基本を守りつつ、おもしろく見せて、肩がこらない。染五郎は女性からはだれからも言い寄られる色男を演じてなるほどと納得させる。菊之助は、仇っぽい芸者は本役ではないだろうが、すっきりとした色気がある。勘九郎は父譲りの口跡で、裏切られた女のくやしさを見せる。ああ、こんなこともあるよね、と観客をうなずかせる。木村錦花の才筆が、春を迎える喜ばしい空気とともに味わえる。(長谷部浩の劇評  TheaterGoer Directory)
正に丁々発止、小気味の良いやりとりが見ていてワクワクします。

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