2018年2月6日火曜日

渡辺保の劇評 2018年2月 歌舞伎座

さて、新幸四郎の披露狂言二本は、圧倒的に夜の部の「陣屋」の熊谷がいい。 先月からの四役のなかでもこの熊谷が一番の出来。前回初役の時にも本来ニン にない熊谷を大きく造形したのに驚いたが、今回はさらに進歩している。
さて今月芝居としてのレベルだけでいえば一番は「井伊大老」である。プログ ラムによれば今回はいつもと違って故人白鸚の台本で、第一場の上屋敷には井 伊直弼は出ず、直弼に代わって昌子の方が長野主膳に弾圧の激しさを緩めるよ うにいう。梅玉の長野主膳、高麗蔵の昌子の方、吉之亟の宇津木六之丞。 第二場が千駄ヶ谷の下屋敷。この場がすぐれている。ほとんど動きのないせり ふ劇であるが、演劇的な密度の高さは今月一番。吉右衛門の直弼、雀右衛門の お静の方、歌六の仙英禅師で感銘深い一場であった。(2018年2月歌舞伎座)
お雛様のシーズンになるとこのお芝居が思い出されます。先代雀右衛門のお静が何とも可愛い女だったことを思い出します。今回のメンバーもベストでしょう。

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