2018年4月13日金曜日

矢内賢二の劇評 2018年4月 歌舞伎座

夜の部は片岡仁左衛門一世一代と銘打った「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」。仁左衛門が左枝大学之助と立場の太平次の二役で、歌舞伎味満点の悪を演じ分ける。大学之助の、鷹(たか)を死なせた童を切り殺す一瞬の激情、家臣をだまし討ちにする狡猾(こうかつ)。太平次の愛嬌(あいきょう)と、一つ家の場の暗闇に浮かび上がる凄味。いずれも躊躇(ちゅうちょ)なく邪魔者を殺していくあっけなさが生々しく現代的でゾッとさせるが、それが見事に歌舞伎の様式美と一体化している。(東京新聞:<評>仁左衛門の「悪」美しく 歌舞伎座「四月大歌舞伎」:伝統芸能(TOKYO Web))

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