2018年9月7日金曜日

河村常雄の劇評 2018年9月 歌舞伎座

昼の部最後の「河内山」は祭主・吉右衛門が当たり役の河内山宗俊。序幕の質見世では小悪党ではないが、決して大物ぶらない。二幕の松江邸で大物の使僧・北谷道海に化けるが、その落差を付ける計算が行き届く。「山吹の」を時代に張り、「茶を一服」で世話に砕ける聞かせどころも、大げさにしない。玄関先の名台詞でたっぷり酔わせ、花道の「馬鹿め」を抑え気味にし、哄笑に重心を置く。スキのない一級品の「河内山」だ。(河村常雄の新劇場見聞録)