2018年11月7日水曜日

河村常雄の劇評 2018年11月 歌舞伎座

大ベテランの菊五郎が女犯の罪に苦しむ青年僧を何なく見せるのは芸の力。「しかし待てよ」で悪の道に足を踏み入れる変貌ぶりは愉快である。お辻でおばあさんを演じた時蔵が十九の遊女十六夜をそれらしく演じてのけるのも歌舞伎の醍醐味である。 この作品で清元延寿太夫の二男・栄寿太夫が歌舞伎初御目見得。この青年、実は今月も「お江戸みやげ」と「法界坊」に娘役で出ている俳優。若々しい美声を聴かせたが、歌舞伎界の二刀流になるか。期待したい。(河村常雄の新劇場見聞録)
清元の音曲が黙阿弥の芝居の情緒を醸し出し、舞台に華やぎを感じます。栄寿太夫万歳!