2018年11月9日金曜日

天野道映の劇評 2018年11月 歌舞伎座

昼「十六夜清心(いざよいせいしん)」で、菊五郎の所化(しょけ)清心が洗練を極めている。女犯(にょぼん)の罪で寺を追われ、川岸を行く反り身の姿は、衣が馴染(なじ)まず、体はもう僧ではない。
笑劇の憎めない悪僧ではなく、恐怖劇の主人公のように、理詰めの作戦を立てて権威に立ち向かう。だが作戦はことごとく空転し、みじめに敗れ去る。その落差が黒い笑いを誘う。((評・舞台)歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 笑劇の裏の恐怖劇に光:朝日新聞デジタル)
笑劇ではなく恐怖劇、オモシロイ。