2018年12月8日土曜日

長谷部浩の劇評 2018年12月 歌舞伎座昼の部

どんでんがえしのある典型的な人情噺だが、松也が演じると単なる人のよい男ではなく、パトロンとなり金を分不相応につぎ込んでしまう人間の業が浮かび上がってくる。ある種の心の闇がほのみえるのが手柄。
それにしても、玉三郎の指導に忠実に、忠実にと教えを墨守しているのだろう。まずは、ここから。のちに二度目、三度目を勤めるとき、独自の色を出してくるのが楽しみな出来であった。歌舞伎座の幕切れ「まずはこれぎり」を二十代の壱太郎がひとりでいったのは、何と言ってもその身の誉れ。一生の思い出になるに違いない。(長谷部浩の劇評  TheaterGoer Directory)
玉三郎の指導を受けた女形たちの発表会のような12月の舞台です。幸先良い出来栄えのようです。