2019年2月8日金曜日

倉田喜弘の文楽評 2019年2月 国立小劇場

「壇浦兜軍記」の「阿古屋琴責(あこやことぜめ)の段」は歌舞伎でも上演され、よく知られた演目。時代物のセットの美しさをあらためて痛感した。重忠に琴、三味線、胡弓(こきゅう)の三曲を次々に弾かされ、内面を試される遊君阿古屋。どの場面も、思う人と離れた阿古屋の悲痛な内面が感じ取れるが、とりわけ見事なのが、三味線を弾きながらの「翠帳紅閨(すいちょうこうけい)」の一節。桐竹勘十郎(人形)の阿古屋は抜群の出来栄え。吉田玉助(人形)の重忠にも気品が出てきた。(東京新聞:<評>阿古屋が抜群 国立劇場「二月文楽公演」:伝統芸能(TOKYO Web))