2006年11月30日木曜日

12月歌舞伎座出演の時蔵のコメント

小玉祥子さんがインタビュアーで時蔵さんがお役についてお話しています。

「不気味さと華やかさの両方があり、最後は屋台崩し(館が壊れる)のスペクタクル。常磐津の名曲で、一巴太夫さんに語っていただきます」

常磐津一巴太夫さんの語りとはステキですね。目で楽しみ、耳も楽しみな「将門」です。 

夜の部では池波正太郎作「出刃打お玉」。尾上菊五郎演じるお玉の仲間である茶屋女のおろく役。「お玉は落ちぶれ、こちらはおかみさんになる。菊五郎のおにいさんが『そこまで汚くするんですか』というお姿になります」(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

最初の場から何十年も経ったということなのでしょう。若い時のお玉と同じだとは分からない程、汚く拵えるみたいです。



今回は又ちょっと手が加わり、面白くなっていると思います。



福助トークイベントのお知らせ

福助、トークイベントを開催します



「大人の休日倶楽部」 presents 「福助、歌舞伎をめぐる旅(仮)」



(歌舞伎美人 | 福助、トークイベントを開催します)

「大人の休日倶楽部」 の会員の方へのプレゼントに企画されたようです。会員でなくても申込みできるようです。抽選に当たったら入会が条件のようです。



2006年11月27日月曜日

時蔵の滝夜叉

大事なのは最初の花道のスッポンからの出。「初演の時は蝦蟇とともに出ましたが、今回は蝦蟇なしで。差し出しのろうそくを使い、きれいなだけでないオドロオドロした雰囲気も見せたい」(<a href="http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061125/ftu_____mei_____003.shtml"></a>)

来月の歌舞伎座で「将門」の滝夜叉を25年振りに演じる時蔵のコメントです。花道のスッポンからの出の演出は、今月の仁木同様ワクワクします。常磐津の浄瑠璃を聴くのも楽しみですし、大がかりな屋台崩しも魅力です。光國を演じる松緑、私には先々代松緑の印象が強烈に残っていますが、当代もきっと頑張ってくれると期待します。



2006年11月25日土曜日

伝説の至芸・吉田玉男 (明日の芸能花舞台)

芸能花舞台 -伝説の至芸・吉田玉男-(NHK 番組表)



「曾根崎心中」「河庄」等、ゲストに住太夫さんが出演されます。



二月博多座歌舞伎配役決定

「二月花形歌舞伎」主な配役が決まりました! お待たせしました!「二月花形歌舞伎」の主な配役が決まりましたのでお知らせいたします。「二月博多座歌舞伎」は、いよいよ来週12月2日(土)からご観劇券発売開始です。お見逃しなく!(博多座)

若手大活躍の舞台ですね。12月2日~申込み開始です。来年のスケジュールをもう考える時期ですね。



「風林火山」放映近し

舞台で言えば、観客よりも先に初日の公演を見てしまうことになるのだが、これまた不思議な感覚である。(亀たより Ver.4)

亀治郎さんの亀たよりに、「風林火山」の来年放映予定の映像を一足早く観たという感想がのっています。成る程、初日公演を早々と観る感覚・・・彼らしいコメントです。



益々第一回目が待ち遠しいです。



小玉祥子の劇評 国立劇場「元禄忠臣蔵第二部」

遊郭で遊びほうけているかに見えた内蔵助は、浅野本家の家臣、進藤(彦三郎)から、意図と反する浅野家再興への動きを知らされた時に揺れ、主税(愛之助)にあだ討ちの決意を打ち明ける時に本心を見せる。藤十郎の柔らかさから厳しさに転じる変わり目が見どころだ。秀太郎の遊女浮橋が好演。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

史実の内蔵助はかなり廓遊びをしたそうです。水に石を投げて波紋の行方をじっと待つ、辛い日々を紛らわしていたとも言えます。その苦衷を藤十郎は好演していました。



「御浜御殿」は梅玉の持ち役となるでしょう。素晴らしい出来でした。





旭日小綬章受章おめでとうございます

2006年秋の叙勲受章者が発表され、歌舞伎の関係者では囃子方の望月朴清さん、清元三味線の清元榮三さん、日本舞踊家の花柳芳次郎さんが旭日小綬章を受章しました。(俳優ニュース)

朴清さんの鼓の音を聴くとうれしくなります。清元のお三味線も歌舞伎舞踊には欠くことのできない大切なものです。これからもたっぷり堪能させて頂きましょう。ご受賞おめでとうございます。



2006年11月22日水曜日

国立劇場 伝統芸能講座 1月13日

国立劇場 伝統芸能講座マーク 大島 「化け猫の誕生」~復活狂言は趣向いじりで始まる~(国立劇場 伝統芸能講座 マーク 大島 「化け猫の誕生」|日本芸術文化振興会)



興味深いテーマで、面白いお話が聞けると思います。お申込お忘れなく。



小玉祥子の劇評 演舞場花形歌舞伎

菊之助の弁天小僧がみせる。娘から男に返る見現しの鮮やかさ、口跡のよさ。南郷の松緑と息も合い、運びもよい。松緑は小悪党らしい切れとあいきょうがある。左團次の駄右衛門が貫禄で橘太郎の番頭がうまい。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

小玉祥子さんの劇評です。弁天小僧を勤める役者の条件を全部持ち合わせている菊之助、松緑の南郷との息もぴったり、花道で唄う都々逸も良い声でした。





『武士の一分』12月1日公開

12月1日(金)公開の映画『武士の一分』に坂東三津五郎が出演しています。映画では初となる敵役として、クライマックスでは主演の木村拓哉と火花を散らす果し合いを演じています。(歌舞伎美人 | 坂東三津五郎が映画『武士の一分』に出演)

以前、三津五郎さんからこの映画のお話を伺った時に、ラストの木村拓哉との果たし合いのシーンはなかなか監督のオーケーがでない、「風を待っているんです。」と答えられ、その風が良い具合に吹いた時、「撮影開始!」になり、無事撮り終わったとのこと伺いました。風がどんな風に戦う二人に吹いていたのか?観て確かめたいと思います。



2006年11月20日月曜日

国立劇場12月チケット完売

国立劇場開場40周年記念として10月から3ヶ月にわたり上演いたしております『元禄忠臣蔵』は、おかげをもちまして大変なご好評をいただき、12月『元禄忠臣蔵 第三部』の入場券はこのたび全日程、完売いたしました。厚く御礼申し上げます このページのトップへ(国立劇場12月歌舞伎公演『元禄忠臣蔵 第三部』完売のお知らせ|日本芸術文化振興会)

10月公演は始まってまもなく完売になりましたが、第三部の12月は前売りの段階で既に売り切れになりました。すごい人気ですね。第一部を観た方は通して観たくなりますから、当然の現象かもしれませんが、これだけ評判になると役者さんも演出の方も力が入るでしょう。来月が楽しみです。



親と子の歌舞伎鑑賞会 歌舞伎座昼の部

親と子の歌舞伎鑑賞会 12月24日(日)



歌舞伎座昼の部(11時開演「嫗山姥」「将門」「芝浜革財布」「勢獅子」)の3階席を親と子(18歳未満)の組み合わせに限り、1人2400円(通常4200円)で提供する。希望者は往復はがきに、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、枚数を記入、同月12日までに〒104-8077東京都中央区銀座6の6の7朝日ビル、都民劇場「親と子の歌舞伎」係へ。問い合わせは03・3572・4311へ。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)



クリスマスイヴを親子で歌舞伎、ナンテ洒落ていますね。申込みお忘れなく。



12月の文楽。玉女の知盛

知盛をいつも遣っていた玉男について、玉女は「師匠の知盛の足・左を三十年くらいやらせてもらいました」と思い出を話す。「義太夫がすばらしい作品。歌舞伎とは違った文楽の魅力をお伝えしたい。この役には、さまざまな型のふりがあるので、それもきれいにお見せしたい」と意気込む。(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061118/ftu_____mei_____001.shtml)

玉女さんが亡き師匠の芸を受け継ぎ、「義経千本桜」の知盛を演じます。



2006年11月15日水曜日

演舞場花形歌舞伎劇評 犬丸治

松緑の初役二役が良い。昼「番町皿屋敷」では、腰元お菊(芝雀)に愛を疑われた青山播磨の憤怒と孤独を骨太に見せた。夜「馬盥(ばだらい)」では、主君小田春永(海老蔵)からの偏執的な恥辱に耐えに耐える武智光秀を、陰翳(いんえい)を込めて演じている。本能寺の引っ込みで叛逆(はんぎゃく)を決意する件、愛宕山で上使を斬(き)り、三方を踏み砕く約束の見得の気迫が充実。([評]花形歌舞伎(新橋演舞場) : 伝統芸能 : 舞台 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

海老蔵の弁慶、菊之助の弁天も結構ですが、今月の松緑はなかなか良いです。「馬盥(ばだらい)」で海老蔵の春永と、「弁天小僧」では菊之助の弁天に南郷と、いずれも良いコンビで楽しみました。これからもいろんな役に挑戦して、次代を担っていって頂きたいと思います。



歌舞伎座顔見世大歌舞伎劇評 河村常雄

「床下」は、ベテラン富十郎が若々しく勢いのある男之助、団十郎が仁木で抜群の迫力。大詰では、八汐と2役の仁左衛門が悪を懲らす勝元でさっそうと登場、段四郎が外記で老忠臣を好演。([評]顔見世大歌舞伎(歌舞伎座) : 伝統芸能 : 舞台 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

読売の評も「竹の間」を褒めています。





小玉祥子の劇評 11月歌舞伎座

「竹の間」は仁左衛門の八汐、三津五郎の沖の井とのよき取り合わせで、舞台に緊迫感が生まれた。(MSN-Mainichi INTERACTIVE 歌舞伎)

「竹の間」は登場人物がそれぞれ良い演技で、役がくっきりと浮き立ち、顔見世ならではの醍醐味が味わえました。「床下」富十郎・團十郎も良かったです。



昼夜通して踊りが多かったですが、中でも三津五郎の身体を充分使って軽妙に踊った「願人坊主」、端正に行儀良く踊った「鶴亀」が秀逸でした。



菊五郎の初めての「雛助狂乱」は大道具の雪景色はきれいでしたが、あとは全く分からない踊りでした。絡みは最初と終わりに軽く出す程度で良かったのではと、思いました。



「五条橋」は流石の天王寺屋も弁慶の心は薄れ、親の愛情がチラチラ覗いていました。あと数年で「連獅子」が見られるかもしれませんね。





2006年11月14日火曜日

竹本葵太夫さんの今月のお役より

10月中旬、はやくも新橋演舞場の終演後の舞台に「河連館」の道具を飾り、(奥)の稽古がございました。その以前に3猿之助丈は11海老蔵丈に稽古をなさったそうですが、客席の3猿之助丈にご挨拶に伺ったところ、「よろしく。(11海老蔵丈が)一生懸命よくやってくれます。…跡継ぎ」とおっしゃいました。(今月のお役)

今月の葵太夫さんは歌舞伎座と演舞場の掛け持ちです。歌舞伎座では「御殿」を演舞場は「河連館」を語って居られます。



海老蔵が猿之助の指導により、初役の狐忠信を演じたということが、いかに大きな意味を持っているか、葵太夫さんが言っていらっしゃいます。私も以前では考えられないことだと、驚きました。素直に教わりたいと申し出た海老蔵、快く自分の築いた芸を伝授する猿之助、全てを呑んで受け入れた市川宗家團十郎、このことは今後の歌舞伎界に良い意味で影響をあたえるのではないでしょうか。



大変素晴らしいお話でしたので、紹介させて頂きました。



2006年11月13日月曜日

角川学芸出版梅原猛「神と仏」対論集3「神仏のまねき」

いよいよ明日、角川書店の角川学芸出版より、梅原猛「神と仏」対論集3「神仏のまねき」が発売される。これは梅原先生と各分野で様々に活躍する学者や作家の方々が、神と仏という視点から縦横無尽に語りつくすというシリーズで、この3巻目より一人一冊になる。その対論相手として、日頃から尊敬申し上げる先生からご指名いただいたのは、思いがけない喜び、身に余る光栄である。(亀たより Ver.4)

「神仏のまねき」梅原猛さんと亀治郎さんの対論集が発売されます。目次の項目を見ただけで面白そうです。



2006年11月12日日曜日

東京文花座 11・12月号

先日、歌舞伎座に置いてあったので持ち帰りました。



  特集「美しい国、日本」 ドナルド・キーンと瀬戸内寂聴の対談



  文花な女たち 菊五郎夫人富司純子さん



  富十郎の幸せ 関容子



  市川亀治郎 「美しい国、日本」についてのテーマに答える



幕間に読むのに最適な小冊子です。



2006年11月11日土曜日

歌舞伎座1月演目発表

寿初春大歌舞伎(歌舞伎美人 | 寿初春大歌舞伎の演目と配役)



久しぶりの勘三郎、玉三郎の出演が楽しみです。



渡辺保の劇評 11月歌舞伎座夜の部

昼の部の「先代萩」の充実ぶりにくらべて、夜の部は各優自分の出し物を並べた結果顔見世らしい顔合わせがなく、狂言立てにも魅力がない。役者揃いの大一座なのに残念である。(2006年11月歌舞伎座夜の部)

このことは今月に限らず、最近特に感じるところです。各役者さんが手慣れた演目を出し合っての狂言立てで、本当に魅力に欠けます。



お正月の歌舞伎座の演目が発表されましたが、「俊寛」「勧進帳」これでは足を運ぶ気になりませんね。



昼夜で一番活躍しているのは三津五郎さんですね。夜の部はこれからですが、大いに楽しみです。



2006年11月9日木曜日

渡辺保の劇評 11月国立劇場

なかでは「御浜御殿」がいい。第一に戯曲として他の幕にくらべて格段にすぐれているからであり、第二に梅玉の綱豊、翫雀初役の富森助右衛門が新鮮だからである。(2006年11月国立劇場)

藤十郎の内蔵助、「元禄忠臣蔵」第二部です。幕開けの、屏風の陰に浮橋といる艶っぽい場面から、どうしても先月の吉右衛門の内蔵助と同一人物だとは思えませんでした。



「面ないちどり」のさわぎも、今一つ明るくないように感じました。ここが華やかでないと、後の主税に本心をうち明ける場が引き立ちません。



「御浜御殿」は渡辺保さんがご指摘のように、一番良かったです。良く書けているし、歌舞伎っぽい出来で、ここが度々単独で上演されるのが分かります。



梅玉さんの綱豊卿はニンもあっていますし、心情も良く分かり素晴らしかったです。



「南部坂雪の別れ」は、いよいよ討ち入りという流れが分かって、観客もほっとします。



そして、来月に気持が動きます。



三津五郎の演目豆知識 「願人坊主」

『願人坊主』には、「悪」の字のついた手桶の底をお面にしてボロボロの扇子を持って踊るところがあります。これを「悪玉おどり」といいます。三代目三津五郎が『七枚續花の姿繪』という七変化舞踊のひとつとしてこの『願人坊主』を初演したのは文化8年(1811)ですが、その4年後に出版された葛飾北斎の『踊独稽古(おどりひとりげいこ)』には『あくだまおどり』という踊りの振りの図解が載せられています。変化舞踊はその当時市井で流行しているものをリアルタイムで取り入れることが多くありました。(三津五郎の部屋)

「三社祭」の善玉・悪玉踊りでも、このユニークなお面はお馴染みですが、三津五郎さんが大変詳しく解説しています。黄表紙の世界など見たことありませんが、マンガチックに描かれていて面白そうです。当時の市井で流行ったことを、即取り入れたりした変化舞踊は、当時の江戸人がいきいきと表現されているんですね。



2006年11月7日火曜日

「京鹿子娘二人道成寺」シネマ歌舞伎上演

「京鹿子娘二人道成寺」シネマ歌舞伎で上映平成18年2月に歌舞伎座で上演され、好評を博した「京鹿子娘二人道成寺」が、シネマ歌舞伎となって上映されます。(歌舞伎美人 | 「京鹿子娘二人道成寺」シネマ歌舞伎で上映)

二人の花子をどう映すのでしょうか、舞台とは違った魅力が期待できそうです。



渡辺保の劇評 11月新橋演舞場

平舞台から一気に三段をこえて二重に飛び上がったのには驚いたし、客席から嘆声がおこった。体の軽さがすごい。いささか体育会系だが、とにかくビックリした。 もう一つは、欄間から飛び降りて舞台端へ来るところ。ビタッと正面を向いた顔が無機的に光り輝いていた。 さらにもう一つ。義経のせりふを階の隅でうずくまってジッと聞いているところ。人間ならぬ狐の存在を感じさせた。 以上三点は、海老蔵の芸質の天性の魅力である。是非義太夫の本文に戻って再演してもらいたい。(2006年11月新橋演舞場)

今回の3人が演じているお役は、どれも容易いものはありません。これから何度も手がけていき、○十年後にやっと自分なりの型が確立するというものだと思います。



個々に未熟なところはあるものの、「花形」と言うにふさわしい舞台だと思います。真剣に役に取り組み、毎日が勉強であり、模索して、悩んで、そういう姿を観るのも実に楽しいことです。今この時の「華」は今しか観られません。



狐忠信はセリフもまだまだですが、心はキツネになっていたように思いました。



いとも簡単に二重に飛び上がったのには驚きました。海老蔵さんだと不安なく観ていられますね。



2006年11月5日日曜日

梅玉のひとりごと 11/4

私が使います扇は、初めて綱豊卿を演じました時に、亡き美保先生に頂戴した扇でございます。お形見となってしまいましたが、今回も使わせていただき、美保先生にお教えいただいたことをもう一度よく考えて大切に勤めさせていただきます。(baigyoku.com ひとりごと)

2ヶ月連続出演の梅玉さん、通しの難しさ、面白さを実感なさっていることでしょう。美保先生に頂いた扇をご使用とのこと、どんな扇か注意してみましょう、



左團次さんの結婚式のお話もかいてあります。相変わらずお客様へのサービス忘れない、とっておきの余興があったみたいですね。



三津五郎の復活舞踊

「七枚續~」は、坂東流の流祖・三世三津五郎が江戸の文化文政期に初演した七変化舞踊(女三の宮・梶原源太・汐汲・猿回し・願人坊主・老女・関羽)。



 常磐津「源太」は源平合戦の折、梶原源太景季が箙(えびら)に梅の枝をさして戦い、風流男とはやされた逸話が題材。生田の森の合戦を物語るうち、酒を飲んだ勢いで、なじみの傾城・梅ケ枝との痴話げんかの話になって…。 「役者の経験を三十年重ねて、芝居も踊りも引き出しが増え、『源太』の持つ色気、柔らかさ、品など、求められるものが出せるようになった」と話す。 



これまで九代目の父とともに舞踊の勉強会「登舞の会」をつくり、主に埋もれた三世の変化舞踊復活に力を注いできた。その一つが常磐津「願人坊主」。江戸時代、市中を徘徊(はいかい)して門付けや水垢離(みずごり)の代参をする下級僧侶の風俗を写した踊り。六代目尾上菊五郎が踊った清元「浮かれ坊主」の原曲でもある。 「浮かれ坊主」は曲も衣装も洗練されているが、「こちらは残された三世の錦絵通りに、いがぐり頭にボロ扇子を使い、当時の風俗をリアルに演じてみます」。 毛色の違った名作舞踊二題の演じ分けが見どころとなる。(http://www.tokyo-np.co.jp/00/mei/20061104/ftu_____mei_____002.shtml)

三津五郎は意欲的に変化舞踊の復活に力を注いでいます。今回もめずらしい演目を踊ってくれます。「浮かれ坊主」の原曲でもある「願人坊主」は正に風俗舞踊、とても興味あります。いつか、七変化七演目全部に挑戦してほしいですね。全く資料がないのもあるかもしれませんので、少し無理なお願いと思いますが・・・



2006年11月4日土曜日

国立劇場賞 元禄忠臣蔵第1部

10月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵 第一部」の受賞者は下記の通り決まりましたのでお知らせいたします。



一、優秀賞  中 村 東 蔵(加藤越中守・奥野将監の演技に対して)



一、奨励賞     中 村 吉三郎(梶川与惣兵衛・下男八介の演技に対して)



                   中 村 種太郎(大石松之丞の演技に対して)



このページのトップへ(10月歌舞伎公演 国立劇場賞のお知らせ|日本芸術文化振興会)



優秀賞、奨励賞に上の3人が決まりました。本当に素晴らしい舞台でした。



受賞おめでとうございます。



團十郎本格復帰

 昼の部「伽羅(めいぼく)先代萩(せんだいはぎ)」では、妖術を使う仁木弾正に扮し、実悪のすごみを見せて大立ち回りを演じる。白鸚、二代目松緑の2人の叔父が得意としてきた役で、松緑に教わったという。  「雲の上をふわふわ歩く場面で貫目(重み)を出せるかどうかが急所です。日本料理で言えば、ダシが決めてだが、同じ昆布とかつおぶしを使っても湯加減ひとつでダシの味が違ってくる。基本を守りながら、いい味を出したい」と語る。 (asahi.com:団十郎が本格復帰 療養後初めて、昼も夜も - 歌舞伎 - 文化芸能)

私が松緑の仁木弾正を初めて観たのは高校生の時です。花道の演出といい、いっぺんに仁木のファンになってしまいました。團十郎はその松緑に教わった由、ステキな仁木のことでしょう。



本格復帰叶い、うれしいです。無理のないようにと思いながらも、昼夜に出演と聞いて喜んでしまいます。



富十郎の男之助

お家転覆の首謀者、仁木弾正(につきだんじょう)が妖術を使ってネズミに化ける。逃げるネズミを捕らえようとする男之助は、荒々しく迫力ある演技が見どころ。富十郎は、「それまでの義太夫狂言がいきなり荒事に変わる、意表を突いた演出が面白い。ご先祖様の知恵ですね」と話す。(「伽羅先代萩」富十郎 : 伝統芸能 : 舞台 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

團十郎の仁木弾正に富十郎の男之助は見ごたえ充分です。菊五郎の政岡、仁左衛門の八汐と大顔合わせでの上演です。じっくり歌舞伎味堪能できる大舞台です。これだけ贅沢な顔合わせは滅多にありません。芸術の秋、歌舞伎座に足を運びましょう。



渡辺保の劇評 11月歌舞伎座昼の部

十一月歌舞伎座昼の部の「先代萩」は花水橋、竹の間、御殿、床下、対決、刃傷の通し。またかと思ったが見れば見たでさすがに当代の役者揃い。顔見世らしく充実している。ことに「竹の間」が近来になく面白い。菊五郎の政岡、仁左衛門の八汐が前回とは大いに違って、虚実、善悪、陰陽、東西の芸風、その対照まことに面白いからである。(2006年11月歌舞伎座昼の部)

昼の部の「先代萩」の通し、流石に顔見世にふさわしい豪華な顔ぶれです。そして各人の芸が絡み合い素晴らしい舞台のようです。これから観にいきますので、「竹の間」が楽しみです。そして三津五郎の「願人坊主」も良いとのこと、楽しみです。





2006年11月1日水曜日

2007/5前進座五月国立劇場公演

時:2007/5/11~」5/22



於;国立劇場大劇場



★毛抜(歌舞伎十八番の内)



★新門辰五郎(真山青果作)



前売り開始:2007/3/12



三津五郎の今月の役どころ

◆「源太」東京の本興行では初めてになります。なんともいえずいい踊りですが、きりっとしたなかにも柔らかさがなければならず、また戦物語から廓話へのなめらかな変化も要求される、なかなか難しい踊りです。若い頃には手も足も出ませんでした。この頃ようやく、30年前に三津蔵師匠に教えられたことが分かるようになってきました。色気があって滑らかで、なんとも言えぬ味わいのある世界。そんなものが舞台に漂えばいいな、と思っています。今回は「先代萩」の序幕で頼兼が紫の同じような衣裳を着るので、三代目の錦絵にならい、藤色の着付にしようと思っています。



◆「願人坊主」まったくの初めてです。父が昭和55年の第1回「登舞の会」で復活した踊りです。そのときは「源太」「老女」「願人坊主」の3段返しで、「源太」は私が勤めていました。六代目菊五郎が初演して人気舞踊になった清元の「うかれ坊主」の原曲です。六代目は常磐津の「願人坊主」を清元になおし、さらに清元の「納豆売」の一部を付け加えて、新しく「うかれ坊主」としたのです。それが人気曲となり、この常磐津の原曲の方は忘れ去られていたものを、父が復活したという訳です。ですから今回歌舞伎の本興行での上演は、おそらく江戸時代の三代目三津五郎以来になるのではないかと思われます。「源太」との変わり目を鮮やかに、「うかれ坊主」よりややリアルに汚い、「願人坊主」ならではの味わいを出したいと思っています。(今月のスケジュール)

歌舞伎座の顔見世では朝から晩まで大活躍の大和屋さんです。5役勤められる中、「源太」と「願人坊主」がやはり気になる演目です。踊りこんだ身体から滲み出る味わい、楽しみです。



二月博多座チラシ

二月花形歌舞伎(博多座)



チラシがアップされました。三人のプロフィールと昼夜のみどころものりました。



いろいろな役に挑戦して、一段と大きく成長していってほしいですね。



吉田玉男さん文楽協会葬

会場では玉男さんが1136回演じた当たり役「曽根崎心中」徳兵衛など名舞台の映像を上映。長年パートナーを務めた人間国宝・吉田簑助さんのお初、玉男さんの一番弟子・吉田玉女さんの徳兵衛で「曽根崎心中」のさわりを演じ、人形の手を合わせて冥福を祈った。 (asahi.com:さよなら徳兵衛 吉田玉男さん文楽協会葬 - 古典芸能 - 文化芸能)

玉男さんの当たり役であった「曽根崎心中」の徳兵衛を一番弟子の玉女さんが、長年相手役を演じた簑助さんがお初を、二人が手を合わせ冥福をお祈りした。



実に心温まるお別れの会で、玉男師匠も天国から喜んで居られることでしょう。



ドナルド・キーンと茂山狂言

ドナルド・キーン氏、狂言の魅力を紹介 11月6日に企画公演(asahi.com:ドナルド・キーン氏、狂言の魅力を紹介 11月6日に企画公演 - 文化一般 - 文化芸能)



関西文化の発信を目的とした連続企画「上方文化を遊ぶ」の東京公演が11月6日、新宿文化センターである。サブタイトルは「~ドナルド・キーンと茂山狂言~」。

ドナルド・キーン氏のお宝映像も観られるそうです。日本文化について、多くの人が興味を持ち、観たり聞いたりする機会を持って頂きたいです。日本人より鋭い感性で日本文化を紹介して下さると思います。