私は、坪内逍遥……… に見えますかな?
芸大120周年記念公演の『新曲浦島』で、その作者坪内逍遥になりました。(三津五郎の部屋)
芸大の奏楽堂で本邦初演という逍遙作『新曲浦島』の上演がありました。
私もこれは観たいと思って楽しみに行って参りました。東京芸術大学音楽学部邦楽科の長唄、箏曲、能楽、邦楽囃子、日本舞踊、雅楽等の方々が、一丸となって創作したものです。
最終幕では洋楽との合奏、合唱という芸大ならではの演奏でした。
逍遙の楽劇台本「新曲浦島」は全三幕で構成され、全幕にわたって邦楽を指定、洋楽も入れています。和楽、洋楽のコラボレーションを明治(37年)に考えていたのです。
はじめに、この演奏会に三津五郎さんが出られると聞いた時、長唄の「新曲浦島」を踊られるのだと思いました。そしたら逍遙役で出演とのことでした。
序幕と中幕の間に上手より写真の格好で出て来られ、逍遙自身がこの曲を作った背景などを語ったり、現在に逍遙が現れ、奏楽堂が立派になったとか、自分の評価とか、独白するなど面白かったです。三津五郎さんが出ることで、逍遙という人物がクローズアップされ、楽劇全体がまとまった気がしました。三津五郎効果あり・・・カーテンコールでは逍遙が真ん中で出演者がでて来ましたが、日頃不慣れな邦楽人も大和屋のリードに感謝したことでしょう。
追記
最後に上からテープがいくつも降りてきて、タテ型のブラインドのようなもの、初めは白いテープなんですが、くるっと回転すると逍遙の顔が印刷されています。
それが何となく三津五郎さんに似ているような~
それもそのはず、逍遙の顔と三津五郎さんの顔を合わせてコンピューターで作った写真だったのです。
私は、坪内逍遥……… に見えますかな?
このトリックがあった訳ですね。