御園座の楽屋で尾上菊之助さんにインタビュー(河村常雄の劇場見聞録 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))よみうりカルチャーの講座が来年1月の国立劇場(18日)で開催されるようです。菊之助がゲストということで楽屋を訪問、今月のお役のこと、新作(復活)の再演のこと等興味深いお話です。
2010年10月28日木曜日
河村常雄の劇評 2010年10月 御園座
市川猿之助が文化功労者に選出された
市川猿之助が文化功労者に選出されましたうれしいニュースです。若くして祖父、父と続けて亡くし、歌舞伎界の中で孤立したにもかかわらず、積極的に新しい歌舞伎を作ることに一生懸命でした。時には周囲から批判されたり辛いこともあったと思います。しかし、彼の情熱に多くの文学者や作曲を担当する邦楽の方が賛同して、協力してくれました。そして多くのファンを魅了し新分野を確立していきました。突然の病で舞台復帰は無理になりましたが、演出家として現在は活躍されています。一門の役者ばかりではなく、次代を担う若い者にもご自分の芸を伝えています。文化功労者に選ばれたことを心よりお祝い申し上げます。
平成22年度の文化功労者が発表され、市川猿之助さんが文化功労者に選ばれることが決定しました。これを受けて猿之助さんから喜びのコメントが発表されました。(歌舞伎美人(かぶきびと) | 市川猿之助が文化功労者に選出されました)
2010年10月27日水曜日
サヨナラ公演の「助六」29日放映
芸術劇場 歌舞伎「助六由縁江戸桜」あの超豪華で現在の歌舞伎界総出の記念すべき「助六」が教育テレビ芸術劇場で放映されます。あの興奮が甦りますね。
29日午後11:09~(NHK 番組表)
菊之助「弁天小僧」を演じるに当たって
これまで五代目、六代目、祖父梅幸、父菊五郎が伝えてきた芝居を大切にするのは当然のことです。でも、自分なりの弁天小僧をほんの少しでも、付け加えなければいけません。それには、冒険も必要です。台詞回しも今まで通りではなく、可能性を追求してみる。照明も再検討してみる。松緑さんとの息の合わせかたも相談してみる。すべてを洗い直すことは難しいにしても、今、できるかぎりのことをやりたいと思いました。(「菊五郎・菊之助 役者のことば」音羽屋 尾上菊五郎/菊之助 オフィシャルサイト)役者のことばが更新されていました。家の芸の重み、代々継承されたものに甘んじていてはいけない、若き菊之助は大いに悩み、試行錯誤をし自分なりの弁天を演じたいと日々研究しています。実にうれしいことです。何事も真摯に取り組む彼ですから父菊五郎とも違った弁天を見せてくれることでしょう。
鏑木清方作「野崎村」の記念切手
国立劇場所蔵の絵画、鏑木清方作「野崎村」が「国際文通週間切手」として、郵便事業株式会社より10月8日に発売されました。(鏑木清方作「野崎村」が記念切手として発売されました。|日本芸術文化振興会)
まだ購入可能でしょうか?郵便局に行ってきます。
まだ購入可能でしょうか?郵便局に行ってきます。
2010年10月26日火曜日
菊五郎の直侍、菊之助の花子
『寮』で三千歳の長いくどきのときは『どうやって悲しませずにこの女と別れるか』と考えます。何度やっても飽きることのない、面白い役です」(東京新聞:<歌舞伎>菊五郎進化の『直侍』 新橋演舞場『顔見世大歌舞伎』:伝統芸能(TOKYO Web))菊五郎初役の直治郎を歌舞伎座で見ました。確か三千歳は宗十郎だったと思います。通しですと河内山とのいきさつも分かりますし、花魁の働く様子も興味深く見られます。幕末の江戸が色濃く描かれたお芝居です。清元の名曲にのせて良い男と良い女の色模様、何度見ても飽きません。
夜の部では今まで菊五郎がやっていた花子を菊之助が初役で演じるようです。将来持ち役になるでしょうね。楽しみです。
「東京人 二世市川左團次」 早稲田キャンパス小野梓記念館 10月26日(火) 14:45~16:15
日時 2010年10月26日(火) 14:45~16:15 (14:15開場)
会場 早稲田キャンパス小野梓記念館(27号館)地下2階小野記念講堂
タイトル『二世 市川左團次展-生誕130年・没後70年によせて-』関連演劇講座
「東京人 二世市川左團次」
講師 :近藤富枝(作家)
聞き手:児玉竜一(早稲田大学教授)※近藤富枝氏の講演の後、対談を行います。(早稲田大学坪内博士記念 演劇博物館 | イベント案内)
ご案内がぎりぎりになりましたが、お時間のある方は是非いらして下さい。
会場 早稲田キャンパス小野梓記念館(27号館)地下2階小野記念講堂
タイトル『二世 市川左團次展-生誕130年・没後70年によせて-』関連演劇講座
「東京人 二世市川左團次」
講師 :近藤富枝(作家)
聞き手:児玉竜一(早稲田大学教授)※近藤富枝氏の講演の後、対談を行います。(早稲田大学坪内博士記念 演劇博物館 | イベント案内)
ご案内がぎりぎりになりましたが、お時間のある方は是非いらして下さい。
2010年10月24日日曜日
初春花形歌舞伎 2011年1月 ル テアトル銀座 演目と配役
ル テアトル銀座
初春花形歌舞伎
市川海老蔵 歌舞伎十八番 新歌舞伎十八番 相勤め申し候(歌舞伎美人(かぶきびと) | ル テアトル銀座 初春花形歌舞伎の演目と配役)
演舞場からル テアトル銀座へ、海老蔵の座頭公演が移ります。どんな小屋だか分かりませんが歌舞伎に向いていない外国の劇場で経験済みの彼のことですから、精一杯観客が楽しめる舞台を提供してくれることと思います。例年のように初春は国立を入れると四座で競演!
初春花形歌舞伎
市川海老蔵 歌舞伎十八番 新歌舞伎十八番 相勤め申し候(歌舞伎美人(かぶきびと) | ル テアトル銀座 初春花形歌舞伎の演目と配役)
演舞場からル テアトル銀座へ、海老蔵の座頭公演が移ります。どんな小屋だか分かりませんが歌舞伎に向いていない外国の劇場で経験済みの彼のことですから、精一杯観客が楽しめる舞台を提供してくれることと思います。例年のように初春は国立を入れると四座で競演!
新春浅草歌舞伎 2011年1月浅草公会堂 演目と配役
新春浅草歌舞伎(歌舞伎美人(かぶきびと) | 新春浅草歌舞伎の演目と配役いつものメンバーより少ない人数ですが、亀治郎・七之助・愛之助・亀鶴による初春らしいお芝居が期待です。私は亀治郎の「独楽」が大変楽しみです。猿之助の「独楽」は最高!大好きな踊りです。
渡辺保の劇評 2010年10月国立劇場
こういう慶喜を見たのは初めてだった。「将軍江戸を去る」の慶喜は名調子で人を酔わせ、感傷で人を泣かせる芝居ではないのかもしれない。それよりも時代の分岐点に立った人間の悲劇的な精神のドラマであり、一人の人間がどう悟りを開き、人生をどう生きるかのドラマである。それだからこそ何百年前の一人の人間の体験が私たちにも共有されるのである。(2010年10月国立劇場)私が過去観た慶喜では寿海が一番印象に残っています。足下も覚束ない晩年の寿海でしたが、澄んだ声の名調子、江戸を去っていく悲劇の将軍という色が濃かったと思います。今月の吉右衛門の慶喜はもっと深い精神性のドラマを感じました。正に渡辺氏が書かれて居られる通りだと思いました。
勝小吉のほうは初日より1週間ほど経っているのにセリフがスムーズではありませんでした。故に芝居の運びもモタツキます。梅丸君の麟太郎のうまさで救われました。実に良い麟太郎でした。国立劇場賞は彼でしょう?
2010年10月9日土曜日
吉例顔見世大歌舞伎 2010年11月 新橋演舞場 演目と配役
吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人 | 新橋演舞場)
昨年までは若手の公演でしたが今年はこちらで顔見世興業です。久しぶりに「河内山と直侍」の通しです。黙阿弥の大江戸への郷愁たっぷりの名作、楽しみです。
昨年までは若手の公演でしたが今年はこちらで顔見世興業です。久しぶりに「河内山と直侍」の通しです。黙阿弥の大江戸への郷愁たっぷりの名作、楽しみです。
仁左衛門の盛綱
「敵味方に分かれて戦っているが、盛綱は弟の高綱のことが心配でなりません。これまでの舞台では、偽首と分かって『弟、やりおった!』という心持ちで揚幕(あげまく)を見ていました。でも今回は、小四郎が腹を切った姿を見て、『あっ、そうか!』と計略に気づいて揚幕を見る方が私自身の心理の流れとして自然ではないかと思ったんです」(東京新聞:<歌舞伎>錦秋大歌舞伎 仁左衛門が『盛綱陣屋』:伝統芸能(TOKYO Web))丸本物のお役に取り組む姿勢というか探求心というか?いつも感心します。そして、私たち観客も納得できる解釈で時代に合った型を目指しているように思います。首実検、よーく観て下さい。
渡辺保の劇評 2010年10月 新橋演舞場
福助のお園が大出来。前半もう少ししっとりした味がほしいと思うが、くどきは、今まで私が見たお園のなかでも有数の出来である。その理由は、だれでもとかく踊りになるか、あるいは日常的な動作になるか(座布団を片付けたり、行燈に油をそそいだりする動き)、どちらかに傾きがちになるところを、心持一つでもち切ったためである。きまってきまらず、きまらずにきまるそのほどのよさの上に、姿かたちがまことによく、味が出ているのが偉い(2010年10月新橋演舞場)上方味たっぷりの「酒屋」を福助が演じるのはどうかなと全く期待していませんでした。それが意外に良かったので、福助の新たな発展に期待したいと思います。周りを上方勢で固めたので、舞台の雰囲気を作ってくれ演じ易かったのでしょう。しかし、このお話は私にはついていけません。いくら手紙に「夫婦は二世~」と書かれていても、子までなした女性と夫のことを思い、心中穏やかという訳にはいきません。お園はこの言葉をうれしく有り難く受け止めているのです。心情的に受け入れられないので、見終わった後もすっきりしません。
今月は七代目、八代目、九代目三津五郎の追善ということで、正面左手に遺影が飾ってあります。懐かしく対面させて頂きました。巳之助と二人で踊る「連獅子」を代々の大和屋は何より喜んで見ている事でしょう。
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